2019年6月5日(水)
プラスチック削減こそ
NGO 海洋汚染対策を論議
焼却で対応は不十分
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海洋プラスチック汚染をめぐる日本の課題を話し合う集会が3日、国会内で開かれ、参加者から、G20開催を前に政府が取りまとめた「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」が不十分との指摘が相次ぎました。減プラスチック社会を実現するNGOネットワークが主催、100人が参加しました。
日本はプラスチック廃棄量と1人あたりの使用量で、米国に次ぐ2位です。
講演で、東京農工大学の高田秀重教授は、廃プラスチックによる海洋汚染が海洋生物だけでなく、人間への影響も懸念される状況だと報告。日本政府の対応は焼却が中心で、今後もプラスチックを使い続けることを前提としており、世界的にも遅れていると批判しました。
WWF(世界自然保護基金)ジャパンの三沢行弘さんは、品質が低く再生素材として価値が薄いプラスチックのリサイクルには限界があり、リデュース(削減)が最重要だと指摘。「政府の主要アクションは回収や代替素材の開発だけで、一番大切な削減がない。大量消費からの脱却が必要だ」としました。
河川や海岸でごみを拾う活動をしている各NGOの代表からも、プラスチックの量自体の削減が必要だとの声が相次ぎました。
会合には日本共産党ほか与野党の国会議員らが出席。共産党の武田良介参院議員はあいさつで「消費者の自主的な取り組みだけでなく、国際問題として国の対処が求められる」と語りました。