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2019年6月1日(土)

主張

衆参の予算委員会

安倍首相・与党は開催に応じよ

 開会中の通常国会は、衆参の予算委員会が長期間開かれないまま、予定される6月26日の会期末まで、1カ月足らずとなりました。安倍晋三政権が固執する10月からの消費税率の10%への引き上げだけでなく、首相が先日のトランプ米大統領との首脳会談で「加速」を合意した日米の貿易交渉など、審議すべき問題は山積しています。安倍首相と与党の自民・公明は、野党が要求している予算委の開催に速やかに応じ、国政の重要課題を徹底審議すべきです。

国政の重要課題は山積

 憲法41条は、国会は「国権の最高機関」であると定め、憲法63条は、内閣総理大臣その他の国務大臣は、国会から「答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない」としています。その重要な場は、国政全般を審議できる予算委員会です。日本共産党などの野党が、衆参の予算委を開いて審議するよう申し入れたのは当然です。

 その予算委が、3月末に2019年度予算が成立してから、衆院で約3カ月、参院で約2カ月も開かれていないことは深刻です。この間、安倍首相の選挙区の山口県下関市と麻生太郎副総理の地元の北九州市を結ぶ「下北道路」を国直轄の調査に引き上げるために「忖度(そんたく)した」と発言して辞任した塚田一郎国土交通副大臣の問題や、東日本大震災からの復興よりも自民党衆院議員の方が「大事」と発言して更迭された桜田義孝五輪担当相の問題など、審議すべき課題は数々ありました。

 安倍首相が固執する消費税の増税、沖縄での米軍新基地の建設、原発、日米の自由貿易協定(FTA)交渉など、重要テーマでの審議は急務です。

 消費税増税では景気の悪化がいよいよ鮮明になる中で、政権内からも「延期」を示唆する声が出始めています。日米FTA交渉では、先の日米首脳会談で、交渉「加速」を合意するとともに、トランプ米大統領は8月には「よい発表ができると思う」と明言しています。

 このような大問題の徹底審議抜きに、7月に予定される参院選を迎えるというのは絶対に許されません。とくに新たに浮上した日米交渉の「8月発表」問題は、参院選では“だんまり”を決め込んで乗り切り、その後に一気にアメリカに譲歩しようという、危険な動きです。予算委での徹底審議は、何よりも欠かせません。

 改憲問題でも首相は、今年の憲法記念日に、20年を新しい憲法を施行する年にしたいという気持ちに「今も変わりはない」と述べ、参院選では「きちんと改憲を訴えていこう」と、党内に指示しました。憲法尊重・擁護義務を踏みにじる首相の姿勢を、予算委でただすことは不可欠です。

主権者に判断材料示せ

 政治の行方を決めるのは主権者・国民です。参院選はその大切な機会です。国会論戦を通じて、主権者に判断材料を十分提供するのは、政治家の責任です。それを行おうとせず、選挙を乗り切ろうというのは、主権者・国民を愚ろうするものです。安倍政権の論戦回避は、あまりに無責任です。予算委の審議で「安倍政治」の問題点を明らかにして、転換・打開の道を議論すべきです。首相と与党が、衆参予算委の開催に応じることは、待ったなしです。


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