2019年5月30日(木)
悪徳商法
被害防止へ総合的に
参院消費者特委 大門氏が追及
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健康器具などの預託商法で高齢者を中心に多額の資金を集め、倒産した「ジャパンライフ」。4月に特定商取引法違反容疑で警察が家宅捜索しましたが、それまでに4回も業務停止命令を受けながら被害の拡大を止めることができませんでした。日本共産党の大門実紀史議員は29日の参院消費者問題特別委員会で、こうした悪徳商法を繰り返さないよう政府をただしました。
大門氏は昨年12月5日、ジャパンライフの手口をさらに巧妙化した預託商法・連鎖販売取引(マルチ商法)業者「ウィル」社の問題を国会で追及し、同月21日に消費者庁は同社に15カ月の一部業務停止を命じました。これについて大門氏は「ウィル社は処分後、連鎖販売取引はやめたが個々の客に勧誘を続けている。ホテルに高齢者などを集めて飲み食いさせ、芸能人のショーを見せて契約させている。お金を集めて資金移動し、“店じまい”の計画倒産に動いているのではないか。手を打つべきだ」と求めました。その上で、消費者行政を監視する第三者機関である消費者委員会の池本誠司委員長代理(弁護士)が、改訂作業中の消費者基本計画工程表に特定商品預託取引法の検証が入っていない点を懸念していることを挙げ、「被害拡大を防ぐため、現行法に不備があるかどうか、法の執行体制がこのままでいいのか、総合的に検討すべきだ」と訴えました。
宮腰光寛消費者担当相は「消費者委員会の議論の推移を見守りつつ、意見を注視したい」と答弁しました。