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2019年5月27日(月)

JCP With You

性暴力の根絶へ刑法抜本改正を

大阪でトークイベント

 性暴力に対して無罪判決が続き刑法の抜本的改正を求める声が高まるなか、この問題について考えるトークイベントが25日、大阪市で開かれました。日本共産党のホームページ特設サイト「個人の尊厳とジェンダー平等のためのJCP With You」と党大阪府委員会の主催です。


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(写真)ジェンダー平等の社会実現に向けて話し合う参加者=25日、大阪市中央区

 日本共産党参院議員のたつみコータローさん、弁護士の雪田樹理さん、大阪大学助教の元橋利恵さんが発言しました。2017年の刑法改正で、暴行・脅迫がなければ犯罪と認められないという要件が残されました。その暴行・脅迫要件について意見が交わされました。

 雪田さんは「改正刑法の3年後の見直しとなる来年こそ本当の改正にしたい」と語り、暴行・脅迫要件の撤廃を訴えました。そして性暴力被害者の相談、心身ケア、証拠採用を1カ所でできるワンストップ支援センターの財政を確保する根拠法の必要性を語りました。

 たつみさんは、3月の予算委員会で、暴行・脅迫要件を撤廃するよう政府に迫り、ワンストップ支援センターへの予算の大幅増額を求めたことを映像で紹介。日本共産党は参院選での政策の柱に「個人の尊厳とジェンダー平等社会の推進」を掲げているとして、「参院選で勝って、引き続き国会で刑法改正をとりあげていきたい」と発言しました。

 「それは心強い」とのべた元橋さんは、日常的な女性への蔑視や差別が性暴力の温床になっていると指摘。「性暴力をなくすには、日常の男尊女卑をなくす努力が必要。性を粗末に扱っている状況を変えていくことが大事だと思って活動しています」と語りました。


暴行・脅迫要件撤廃すべきだ

●参院議員 たつみコータローさん

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 私は3月26日に、性犯罪の暴行・脅迫要件を撤廃すべきだと、予算委員会で取り上げました。

 無罪の判決には、加害者が鈍感であれば、被害者の抵抗に気づかなくても仕方ないという部分があり、理不尽で納得できないと思いました。そもそも同意してないから暴力を振るうわけで、そこが問われないのはおかしい。

 大阪府には性暴力被害者のための支援センターSACHICOがあります。しかし府は警察への届け出を推奨していると、SACHICOへは医療費支援をしていません。さらに、どこまでを被害者ととるかSACHICOと折り合わないと、言い訳しています。性暴力被害者支援センターへの国の予算はあまりにも少なく、抜本的に増額すべきだと思います。

同意なき性交 人権侵害問え

●弁護士 雪田樹理さん

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 私は横山ノック元大阪府知事の強制わいせつ事件(1999年)で被害者の弁護を担当し、1100万円の損害賠償を勝ち取りましたが、そのうち強制わいせつへの賠償金はわずか200万円でした。

 最高裁で強姦(ごうかん)事件、強制わいせつ事件の無罪判決が相次いでいます。性犯罪には暴行・脅迫要件があり、多少の抵抗では犯罪が成立しません。女性の権利がなかった時代、「たやすく暴力に屈する女性は保護に値しない」とされていた名残です。同意のない性交がその人の人権を侵害する。そこが問われるべきです。いまは裁判官の裁量に判決が左右され、「同意はないけど、抵抗が弱い」と判断されてしまいます。

 刑法の改正と、被害者の支援制度をつくること、この二つが必要だと実現に取り組んでいます。

当たり前とはしないために

●大阪大学助教 元橋利恵さん

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 5月11日に東京のフラワーデモに参加しました。次々と「自分」を主語にスピーチする人がいて、どんな発言も受けとめる空気がありました。性被害に遭うと、自分の同一性を脅かされ、自分が自分でいられなくなる。体験を話すことは自分を取り戻す経験になります。

 「怒りたい女子会」で、自分の体験を話す活動をやっています。ルールは否定しない、アドバイスしない、自分を主語にして話すこと。一人では言えないことも、集まることで言えたりします。

 日常的に事件化していない被害がたくさんあります。電車でかばんの中に下着を入れられたことがありました。そういうことでも、私たちの自信や尊厳は傷つけられていると思います。そういうことを当たり前としないで声を上げていきたいです。


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