2019年5月26日(日)
スルガ銀行の不正融資問題
被害者救済へ道開く
宮本議員調べ
スルガ銀行(静岡県沼津市)の不正融資問題で、無理な融資で返済困難に陥った被害者に、融資の元本をカットすることによる解決の道が開かれたことが、日本共産党の宮本徹衆院議員の調べでわかりました。
シェアハウスなどの投資用不動産融資で、少なくとも7813件の不正が行われていたことがスルガ銀行の報告書で明らかとなっています。被害者らは、裁判所の民事調停や不動産ADR(裁判外紛争解決手続き)などで債務免除の交渉を行ってきましたが、元本カットで債務者に発生する所得税などの問題が和解の壁となっていました。
スルガ銀行によると、不正行為と債務者の投資判断との因果関係が明らかとなれば、解決金として損失補てんし、債務と相殺することで事実上の元本カットをおこないます。この際の解決金には課税されないことになりました。
今年2月に宮本議員の国会質問に対し、麻生太郎金融担当大臣が、金融庁は、スルガ銀行が個々の債務者に対し、税務関係の問題も含め適切な対応を取っているかどうかチェックし、必要に応じて指導すると答弁。その後、スルガ銀行と金融庁・税務署との相談がなされ、今回の措置が認められたもようです。
不動産ADRの活用を推奨する日本住宅性能検査協会の大谷昭二理事長は、「一部元本カットは大きな前進だ。しかし、不正行為と投資判断との相当の因果関係の証明が必要であり、今後の協議次第では金融庁のさらなる指導が大切となる」と述べています。