2019年5月24日(金)
多様な法曹養成こそ
法科大学院改定法案 山添氏要求
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日本共産党の山添拓議員は23日の参院文教科学委員会で、法学部と法科大学院を最短5年で修了する「法曹コース」の新設や、在学中の司法試験受験を可能にする法科大学院等関連法改定案に関し、他学部や社会人など幅広い人に魅力ある法曹養成制度をつくるべきだと求めました。
山添氏は、人権擁護と社会正義の役割が期待される法曹を、多様に豊富に生み出すため、法科大学院を中核とする養成のプロセスが重要とされたと指摘。プロセス全体も定まらないまま、在学中受験導入など一部を取り出した改定案の提出理由をただすと、文科、法務両省側は、司法試験や司法修習を法成立後に設ける会議体で検討するとしました。
政府が2015~18年度を「集中改革期間」とし、組織の見直しや司法試験合格率7割以上などと掲げたが、期間終了後の分析・検討と改革は行われたのかと質問。文科省の伯井美徳高等教育局長は「成果の分析・検討は今後速やかに実施する」と答弁。山添氏は、「集中改革期間の結果も踏まえず制度に大改編を加えるものだ。翻弄(ほんろう)されるのは志望者だ」と批判しました。
山添氏は、法案が時間的・経済的負担の軽減を骨子としているものの、「司法試験に合格できるのか」との不安が最も多く、志願したことのない学生の不安や迷いを重視すべきだと強調しました。
また同委は参考人質疑を行い、宮島渉弁護士は意見陳述で「法科大学院の健全な教育機能を破壊し、法科大学院を中核とする法曹養成制度を死に追いやるもの」と法案に反対しました。
山添氏は、合格すれば法科大学院修了者と同等の資格で司法試験を受験できる予備試験も含めた法曹養成制度全体の見直しが必要だったのではないかと質問。参考人の土井真一京大教授は、予備試験の制度の整備は「すべての法科大学院関係者の願いだ」と答えました。