2019年5月24日(金)
静かな住宅地失う
辺野古住民訴訟 原告ら訴え
沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐって、沖縄県の埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相の決定は違法だと住民が訴えた訴訟の第2回口頭弁論が23日、那覇地裁で開かれました。
原告で辺野古区住民の男性が「18歳の時、母が辺野古集落内で米兵に殺され、人生が一変した。今も悪夢を見る」と意見陳述しました。2016年12月に名護市安部(あぶ)でオスプレイが落ち、今も辺野古集落をオスプレイが荷物をつりさげて飛んでいると指摘し、墜落の不安を語り、「護岸工事で辺野古の海が破壊されるのを見て『なぜ』と思ってしまう。新基地ができれば辺野古の静かな住宅地の性格が失われる」と訴えました。
被告・国側は、原告には訴訟を起こす適格性がないと主張していて、原告弁護人が「国の環境影響評価でも、騒音・低周波が及ぼす影響を指摘している。住民には原告適格がある」と主張しました。
訴訟の論点は(1)原告適格の有無(2)行政不服審査法に基づいて県の撤回を取り消した国交相の決定の違法性の有無―などです。この日、国側は追加の反論書の提出に4カ月かかると主張し、原告側が反発。平山馨裁判長は国に2カ月で書面を出すよう指示しました。次回期日は7月23日です。