しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年5月23日(木)

きょうの潮流

 窓をたたく雨音ではなく、鳥のさえずりで目覚めた朝。みずみずしい緑葉の中、歩く街が優しげに感じたのは寝る前に見たニュースのおかげでしょうか▼財布をなくし困っていた沖縄の高校生に、現金を貸した見ず知らずの男性。連絡先を聞きそびれた高校生が地元紙を通して探したところ見つかり、およそ1カ月ぶりに恩人との再会を果たしました▼親類の葬儀のため那覇から実家のある与那国島に帰ろうとしていた高校生。モノレールで空港駅に着いたとき、往復の飛行機代が入った財布がないことに気づきます。途方に暮れていると男性から声をかけられ、6万円を手渡されました▼男性は周りから「だまされたんだよ」と言われていました。しかし、信じてよかったと。お金を返し、ちゃんとお礼を伝えたいと呼びかけた高校生の記事を見たときは涙が出るほど感動したといいます▼「人に裏切られることも多い時代に、お互いを大切に思ったからこそ再び会うことができた。これからも相手を思う気持ちを大切にしてほしい」。高校生も「自分も困っている人の話に耳を傾けられるおとなになりたい」と応じました。なくした財布も届けられ、無事に戻ってきたそうです▼こうした出来事が取り上げられるのもこの頃の世相の反映なのか。感謝の文字と2人の名前を刻んだ手作りの文鎮を贈った高校生。すると、男性からもプレゼントが。財布でした。心温まる交流。日常のさりげない善意と信頼。その一つ一つがひろがる社会でありたい。


pageup