2019年5月16日(木)
日ロ交渉行き詰まり
紙議員 不公正ただす外交こそ
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日本共産党の紙智子議員は15日の参院沖縄北方特別委員会で、日ロ領土交渉の方針が転換され、行き詰まっていると指摘しました。
安倍政権は2016年に「領土問題は70年1ミリも動かなかった」とし、共同経済活動を進めて領土交渉する方針を示しました。ところが、昨年プーチン大統領と1956年の日ソ共同宣言を基礎に交渉を加速すると「2島返還」方針に転換したかに思われました。紙氏は5月の日ロ外相会談で交渉に「大きな隔たりがあった」という報道に触れ、交渉の経過について質問しました。
河野太郎外相は「コメントは控える」と繰り返し、まともに答えませんでした。紙氏は「ロシアの主張は変わってない。安倍外交の成果があがっているように見せるために、今にも(平和条約締結を)実現するかのように宣伝したのではないか」と述べました。旧ソ連が領土不拡大の原則を破って千島を占領した不公正をただす外交交渉が重要だと迫りました。
紙氏は、日本共産党の畠山和也前衆院議員が5月連休あけに調査した根室市の漁業の実態を紹介しました。2016年にロシアは200カイリの水域でのサケ・マス流し網漁を禁止。日本政府は新たな漁法を調査する試験操業を行っています。紙氏は「試験操業で漁業の経営が回復していない」と述べ、対策を要望しました。
宮腰光寛内閣府特命担当大臣は、「隣接地域の安定した経済を構築するため、水産業などの産業振興が不可欠だ」と答弁しました。