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2019年5月14日(火)

18歳未満最賃 2倍以上引き上げ公約

英労働党 「平等な権利を」

 【ベルリン=伊藤寿庸】英労働党のコービン党首は11日、18歳未満の若年労働者の最低賃金を2倍以上に引き上げ、時給10ポンド(1426円)とするとの公約を発表しました。


 英国では25歳以上の全国最低賃金8・21ポンド(1170円)、21歳以上25歳未満7・70ポンド(1099円)に対して、18歳未満は時給4・35ポンド(620円)と低く抑えられています。

 労働党の公約は、実際に生活できる賃金として18歳未満の労働者を含めて、時給10ポンドを保障するというもので、平均的な青年労働者は年間約36万円の賃上げになるとしています。

 英中部バーミンガムで開かれた労働党青年部の集会で、コービン氏は「18歳未満だから店で割引が受けられるわけではない。しかし若者が売る側だったら、賃金が半額になる。このような差別は終わらせるべきだ」と指摘。労働党政権ができれば、「年齢、性別、国籍、人種にかかわらず労働者に平等な権利を保障する」と力説しました。

 英国では多くの青年が、非正規雇用や「ゼロ時間契約」(仕事のある時だけ賃金が支払われ、待機時間などは無給となる雇用契約)などを押し付けられています。

 コービン氏はまた、保守党政権が、大学の学費の3倍化、教育維持補助金(生活費支援)の廃止、家賃高騰による住宅危機で青年が実家に住み続けるしかない状態を放置するなど、「青年への差別」を続けてきたことを批判しました。

 2017年の総選挙で、労働党は、大学の学費の無償化を公約し、青年の大きな支持を得ました。イングランドでは、学部学生の学費は現在年間9250ポンド(約132万円)で、卒業時に数万ポンドの借金を背負うことが珍しくありません。12年に保守党・自由民主党連立政権が学費を一気に3倍に引き上げた結果、低所得者層の大学進学率が顕著に低下するなど教育を受ける権利への侵害だとして批判を受けてきました。


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