2019年5月12日(日)
小樽海上技術学校が存続
廃止は船員確保に逆行
はたやま氏ら国に要請
北海道
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老朽化を理由に廃止が検討されていた国立小樽海上技術学校が一転、来年閉校予定の小樽商業高校跡に移り、2年後に短期大学として存続することが決まりました。小樽市と独立行政法人海技教育機構が発表しました。
中学卒業者を対象に船員の養成を目的とする海上技術学校。全国に4校あり、1976年に現在の場所に移転した小樽校は、老朽化で耐震改修に30億円以上かかるとして、廃止対象にされました。
小樽市や離島航路を抱える自治体は「船員確保に逆行する」と強く反発。昨年7月、日本共産党の、はたやま和也前衆院議員・参院道選挙区予定候補は、菊地葉子道議らと現地を調査し、小樽市や羽幌町、天売(てうり)、焼尻(やぎしり)両島を結ぶフェリー会社を訪ねて要望を聞いて回り、国に要請しました。
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入学生のほとんどが道内で、2018年度までの10年間で道内出身者は9割です。小樽市は「何としても小樽に残したい」と商業高校跡の施設利用を提案しました。
20年3月で閉校する小樽商高は、小林多喜二の母校です。この施設を道から取得、一部を海上技術短期大学校舎として提供。入学資格は中学校卒から高校卒になります。
「海員養成所として開設されてから80年の歴史を持つ小樽校。関係者からは“廃止されれば、道外から船員を探さなければいけない”との不安もあっただけに、存続の道が開けたことはうれしいことです」と語る、はたやま氏。「国が船員雇用を増やす事業を進めながら、老朽化を理由に廃止しようとし、自治体に負担を負わせることは厳しく指摘しなければなりません。国が責任を果たすよう引き続き求めていきます」と語っています。