2019年5月10日(金)
AV出演強要 法規制を
被害者支援団体などシンポ
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悪質なスカウトなどによるAV(アダルトビデオ)への出演強制の被害がやまないなかで、シンポジウム「AV出演強要 被害をなくすための法制化を求めて」が8日、参院議員会館で開かれました。主催はヒューマン・ライツ・ナウ(HRN)、人身取引被害者サポートセンターライトハウス、ポルノ被害と性暴力を考える会(ぱっぷす)の3団体。与野党の国会・地方議員、AV出演者、市民ら約70人が参加しました。
ライトハウスの藤原志帆子代表が、被害の実態を報告。手や足のみの撮影という「パーツモデル」を募集するといって契約書や誓約書に署名させ、AV出演を強要する手口が紹介され、どんな若者でも被害にあう可能性が広がっていることを強調しました。また、本人の望まない映像がネット上に拡散することによる被害は甚大であり、解決も困難であるとして、AV出演強要を取り締まる法規制の必要性をのべました。
ぱっぷすの金尻カズナさんは、巧妙な勧誘により生涯にわたる不利益を被ることの恐ろしさに言及。脅迫の事実の証明が困難で「望んだ出演」とみなされてしまうことや妊娠、中絶、性感染症のリスクについてのべ、「AV出演強要は性的搾取、人身売買にほかならない」と訴えました。
HRNの伊藤和子弁護士は、成人年齢の引き下げにより18、19歳がねらわれる危険を指摘。「既存の法律がいくつあっても動画を拡散して利益を得ているものが処罰されないなど、十分な法規制が及んでいない実態は、深刻な人権問題としてとらえる必要がある」とのべました。