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2019年5月8日(水)

官邸の質問制限を検証

沖縄民意無視を批判 法政大で報道フォーラム

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(写真)シンポジウムで語り合う(左奥から)新崎、南、島、山田の各氏=6日、東京都千代田区

 「民主主義と報道の役割」をテーマに第3回世界報道の自由デー・フォーラムが6日、法政大学で開かれ、シンポジウム「会見の質問制限から県民投票無視まで、現状を問う」が行われました。主催は法政大学図書館司書課程。

 沖縄・辺野古への米軍新基地建設について琉球新報編集局次長兼報道本部長の島洋子氏は、県民投票で72%が建設に反対したのに岩屋毅防衛相が「国には国の民主主義がある」とのべたことをあげ、「『国』に沖縄が入っていない。だから県知事選や県民投票、衆院補選があっても翌日に工事を進めてしまう状況がある」と政府を糾弾しました。

 専修大学の山田健太教授は「本土のメディアが我が事と捉えることが重要だ」と指摘。朝日新聞政治部出身で新聞労連委員長の南彰氏は「沖縄のみなさんが繰り返し民意を問われ選択してきたのに、東京の政治報道では官邸や防衛省のペースにはめられていたと反省する。沖縄のメディアをどうサポートしていけるかが課題」と語りました。

 首相官邸が記者クラブに特定の記者を排除する文書を出した問題で南氏は「誤った政府見解を記者の質問内容にまで当てはめ、政府見解の枠内で質問しない記者は問題行為がある記者だとクラブに理解を求めたもの。報道の自由にたいする相当な侵害だ」と厳しく批判しました。山田氏も「政権によるメディアコントロールだ。メディアを区分しレッテル貼りをする、政府の見解と違う異端は認めない、という段階がここ数年進んでいる」と警鐘を鳴らしました。

 シンポジウムに先立って特別講演した国境なき記者団のセドリック・アルヴィアーニ氏も「政府高官は公僕で記者の質問を選択することはできない」と指摘しました。

 共同通信デジタル編成部デスクの新崎盛吾氏がコーディネーターを務めました。


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