2019年4月25日(木)
「返済免除前倒し検討」
参院委 復興相、災害援護資金で紙氏に
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渡辺博道復興相は10日の参院東日本大震災復興特別委員会で、同震災の被災者について、災害援護資金の返済免除の前倒しを「検討したい」と述べました。日本共産党の紙智子議員への答弁。紙氏は、生活再建がままならない実態を示し、貸し付けから23年がたたないと返済免除が認められない現行制度の見直しを求めました。
災害援護資金は、国と都道府県・政令市の原資で、低所得世帯が最大350万円を借りられる制度。東日本大震災では貸し付け後13年で完済を求められます。返せる見込みのない人への返済免除は、返済期限からさらに10年がたたないと認められません。
紙氏は、共同通信による被災3県の自治体へのアンケート(2018年)で、半数が滞納している実態が明らかになったと指摘。共産党宮城県議団の聞き取り調査では、母子家庭の利用者が「生活保護ぎりぎりの生活だ」と答えるなど、生活困窮が滞納の大きな要因だとして「破産した人や高齢者、病気を抱える人は10年を待たずに免除すべきだ」と訴えました。
さらに、「全国市長会が要望しているように、返済免除した自治体の貸し付け原資を肩代わりするなど、自治体負担を軽減すべきだ」と主張。渡辺復興相は「国としてどうしたらいいか検討したい」と表明しました。