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2019年4月19日(金)

全国学力テスト実施

点数競争の弊害明らか、見直しを求める動きも

 全国学力テストは「児童生徒の学力や学習状況を把握・分析」する「調査」だとされていますが、実態は学校と子どもを点数競争に巻き込み、教育をゆがめるものです。

 学力テストの結果は「学力の特定の一部分」「教育活動の一側面」(文部科学省の通知)でしかありません。ところが多くの自治体が点数アップを至上命令にして、子どもと教員を追い詰め、テストのない教科や教育活動が犠牲になっています。

 全日本教職員組合の調査では44%の学校で過去の問題をやらせるなどの特別指導を実施。学年初めの学級づくりや授業づくりに支障が出ているという声が上がっています。これでは子どもたちに豊かな教育を保障することはできません。

 一方、学力テストの弊害を認め、見直しを求める動きも出ています。毎年、平均点最上位となっている福井県では、教師に叱責された中学生が自殺した事件をきっかけに、県議会が「日本一であり続けることが目的化し、本来の公教育のあるべき姿が見失われてきたのではないか」とし「過度の学力偏重は避けること」を求める意見書を採択しました。

 中学生のいじめ自殺事件について調査した青森市の審議会は報告書で、競争的学校環境が子どもたちにストレスを与えていると指摘。その一因として全国学力テストをあげ、「その実施を含めたあり方」を再検討するよう提言しました。

 子どもの学力の向上には役立たず、弊害が明らかな全国学力テストは一刻も早く見直し、廃止するべきです。(高間史人)


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