2019年4月16日(火)
学術研究予算の「選択と集中」
研究力低下は明らか 田村氏追及
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日本共産党の田村智子議員は15日の参院決算委員会で、学術研究予算の「選択と集中」が大学など研究機関を疲弊させ、研究力を低下させていることを示し、「政策の方向性が間違っている」とただしました。
安倍政権は、特定の研究分野への集中的な予算配分や国立大学等への運営費交付金の傾斜配分で学術研究予算の選択と集中を一層加速させてきました。ところが、論文数の国際比較では、主要国で日本だけが停滞・減少、とりわけ国が直接予算措置をしている国立大学の論文数が減少しています。日本の主要大学は2004年からすべて世界大学ランキングで順位を落とし、17年にはトップ100に2大学入っただけです。田村氏は「国際的にみた研究力の低下は明らかだ」と追及。内閣府の平井卓也担当相は「日本の研究力が相対的に低下していることに危機感をもっている」と認めました。
さらに、田村氏は、選択と集中によって地方国立大学の資金が落ち込み、教育・研究を維持する限界点を超えていると指摘。国策にかなう研究プロジェクトに予算を集中投下することが若手研究者の自由な研究を阻害していると指摘されていることも示し、「基盤的経費である運営交付金が増えなければ、安定的なポストは増えない」と強調しました。
柴山昌彦文科相は「運営費交付金が減ってきたことで特に地方の国立大学が経営の危機にひんしている。指摘も踏まえ、財務当局に運営費交付金のさらなる確保を働きかけたい」と述べました。