2019年4月13日(土)
衆院本会議での大学修学支援法案及び学校教育法等改定案に対する畑野議員の反対討論(要旨)
日本共産党の畑野君枝議員が11日の衆院本会議で行った大学修学支援法案と学校教育法等改定案への反対討論の要旨は次の通りです。
修学支援法案の最大の問題は、修学支援の財源に消費税増税分を充てることです。経済的理由により修学が困難な低所得者世帯の学生を支援するとしながら、そうした世帯ほど負担の重い消費税をその財源とすることは許されません。
安倍総理は、消費税10%への増税を国民に押し付ける口実として修学支援や幼児教育の無償化を持ち出しました。このやり方は根本的に間違っています。
すでに消費税増税を見込んで学費を値上げする大学がでています。それを文科省も容認しています。学費値上げを引き起こしながら、何が高等教育の無償化か。まったくの逆行ではありませんか。
修学支援は、大学で学ぼうとする学生を支援するものです。にもかかわらず、認可された大学にさらに要件を課す必要がどこにあるのでしょう。「大学法人の理事に産業界等の外部人材を複数任命」しない大学の学生は支援しないという要件は、学生の事情とはまったく無関係です。学生が進学先を選ぶ自由を奪うことは、決して許されません。
学校教育法等の「改正」は、大学が評価基準に適合しているか否かの判定を受けることを義務付け、不適合とされた大学に対して、文科大臣が報告や資料提出を求めるとしています。また、私立学校法人に「設置する私立学校の教育の質の向上」を義務付け、さらに、私立大学法人等に「中期的な計画の策定」を義務付けました。認証評価制度とあいまって、文科大臣が私学の教育内容にまで口だしするものです。
こうした、政府主導で大学の組織や運営を方向づけ、「改革」を迫るやり方でいいのでしょうか。
国立大学の法人化以降、研究・教育の基盤的な経費である運営費交付金を大幅に削減し、目に見える成果を求めて競争をあおり、資金配分してきた結果が、研究費の大幅減や研究者の不安定さをもたらし、大学の研究力の低下を招いていることに、いま多くの大学人が深刻な危機だと警鐘を鳴らしています。
大学の使命は、学生に豊かな学びを保障し、自由な環境のもとで多様な学問の創造と継承によって明日の社会に貢献することです。
大学の使命を危うくする、政府による「改革」の押し付けはやめるべきです。