2019年4月6日(土)
「選挙運動」でヘイトスピーチ
法務省も初通知 事実上の野放し状態
統一地方選挙では、排外主義団体が各地で候補者を擁立し、「選挙運動」に名を借りたヘイトスピーチ(差別扇動行為)を繰り返しています。法務省も対応に乗り出していますが実効性はいまだ乏しく、事実上、野放し状態になっています。
「日本を批判するなら朝鮮半島に帰れ。在日も帰れ」「日韓断交は外交政策」(3月30日、神奈川県の相模原駅前で)。日本第一党党首の桜井誠氏ががなり立てます。選挙期間中、こうした発言が街中にとどろき続け、候補者や応援弁士もそれに同調しています。
ヘイトスピーチをめぐっては16年、「ヘイトスピーチ解消法」が成立。しかし、排外主義団体は政治団体をつくり、活動を「巧妙化」しました。選挙の自由について定めた公職選挙法をたてに活動するためです。16年に設立した同党の他にも、排外主義をあおる政党や無所属の候補者が各地で出ています。
統一地方選を直前に控えた3月12日、法務省は選挙立候補者が「選挙運動」と称して差別街宣をすることについて「適切に対応する」ことを求める通知を全国の法務局に出しました。選挙に対して、ヘイトスピーチ対策を求める通知は初めてです。
しかし、「選挙運動」に名を借りたヘイトスピーチは止まっていません。市民が路上で抗議をする以外、事実上、野放し状態です。
統一地方選挙で行われているヘイトスピーチについて、法務省人権擁護局は「着目はしている。必要に応じて、選挙後に対応する」としています。