2019年4月5日(金)
小西大阪府知事候補・柳本大阪市長候補勝利で大阪市廃止の維新政治転換を
子育て・教育・防災こそ
7日投票の大阪府知事・市長の大阪ダブル選は、大阪維新の会の幹部である2人の候補を、小西ただかず知事候補と柳本あきら市長候補が猛追する大激戦となっています。維新政治の継続か、転換か、大阪市廃止の「都」構想への固執か、終結の判断を下すのか、対決点は鮮明です。
(藤原直)
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住民サービス低下
維新の松井一郎代表は、「都」構想を問うとしてダブル選を仕掛け、市長選に出馬したはずなのに、「都構想に触れない場面が目立つ」(3月30日、共同通信配信記事)と報道されています。
「都」構想といっても、大阪市が廃止されて特別区という半人前の自治体に分割されるだけで住民サービスの低下も避けられないものだからです。
「都構想の終結」を掲げる柳本市長候補は「(知事に)権力を一本化するというような考えの方々に大阪を任すわけにはいかない。市民の生活と暮らしを守るために政治生命をかけてたたかい抜く」と語り、廃止分割に1500億円以上ものコストをかけるなら「もっと子育て、教育、防災に」と訴えています。
暮らし・教育…
維新陣営は自分たちに都合のいい数字を並べ、維新の政治で「大阪は確実に元気になってきた」(吉村洋文知事候補)などと主張。「大阪の成長を止めるな」と繰り返しています。
小西知事候補は、大阪では1人当たり府民所得が全国と比べても悪化していることを示し、「児童虐待件数、犯罪ランキングも残念ながらワースト1続き。昨年の完全失業率は2番目に悪い」と指摘。「府民の暮らしに目を向けない行政は失格だ」と批判しています。
「今の大阪に都構想議論に時間を費やしている余裕はない」と、子どもの貧困対策など目の前にある課題に正面から取り組む姿勢を示し、「まずは学校給食の無償化から」と公約しています。
維新陣営の、大阪市で「こども・教育の予算」を「7年で8倍」にしたとのビラはデタラメでした。柳本氏は、いま市内では、維新市政の「行き当たりばったりの教育改革」の影響もあり「教育現場が混乱・疲弊し、教員のモチベーションが著しく低下している」と指摘。いまや中学校の不登校が20人に1人に達していることにも触れながら、校長公募制を廃止し、不足している教員を増やすなど立て直しに力を入れたいと表明しています。
月額7927円と異常に高い介護保険料の問題を取り上げ、「引き下げの方向を探っていかなければならない」と述べています。
小西氏は、維新府政で商工関係予算が大幅に減ったことに触れ、「こんなことでは大阪の本来持つ強みである中小企業・商店街の振興はできない」と強調。柳本氏とともに中小企業支援の強化を打ち出しています。
分断攻撃に反論
維新は、対立候補への支援の広がりを恐れて分断攻撃に躍起です。
これに対し小西氏は、知事になれば府民の代表として「府民の意見を踏まえて府政を展開する」と述べています。
柳本氏も、市民の代表としての市長の役割を強調。市民との対話を重視し、議会とも真摯(しんし)に向き合う姿勢を示しています。特定の人の意見を排除する傾向に警鐘を鳴らし、人々がちゃんと対話し、多様な考えを持つ人々が住める寛容性を持つ「本来の大阪」を取り戻していきたいと発信しています。