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2019年4月4日(木)

原発ゼロへ欠かせぬ議席 激戦区の様相

 「原発ゼロの日本へ」は、統一地方選の重大な争点の一つです。原発の立地県で日本共産党候補は、「原発ゼロ」を訴えて全力をあげています。


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(写真)出発式で訴える鈴木、山口の両候補=3月29日、静岡市葵区

静岡 知事に廃炉を迫る

ひらが高成氏 鈴木せつ子氏 山口ゆうき氏

 静岡県議選(定数68、1減)で、日本共産党は、浜松市中区(定数4)の、ひらが高成、静岡市葵区(定数5)の鈴木せつ子、静岡市駿河区(定数4)の山口ゆうきの各候補が、中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の再稼働を許さず廃炉・原発ゼロを実現させるため複数議席獲得をめざしています。

 政府の要請で停止(2011年5月)した浜岡原発は、東海地震の震源域の真上にある世界一危険な原発と言われています。15年に党県議空白を克服した、ひらが県議は浜岡原発の廃炉をただ一人主張し、県知事に再稼働を認めないことを求める署名21万人の唯一の紹介議員になりました。県民の世論をうけ川勝平太知事は知事選再選後(17年6月)、「任期中、再稼働には同意しない」と表明するまでになっています。

 これまで県議会では、浜岡原発の廃炉を求める陳情を、自民党、公明党などが採決もせず不採択としてきました。廃炉に追い込むためには、会派として意見書を提案できる2議席以上に共産党が躍進することが大きなカギを握っています。

 選挙戦は、中区と葵区で1人はみだし、駿河区で2人はみだしの大激戦です。自公をはじめ、他候補が政策を語らない選挙戦を展開。共産党は原発再稼働を進める安倍政権と正面から対決し、浜岡原発廃炉・原発ゼロをキッパリ訴え共感が広がっています。

 ひらが、鈴木、山口の各候補は「党複数議席への躍進で、今度は知事に廃炉の決断をさせましょう」と全力で訴えています。

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(写真)訴える、しぶや明治候補=3月29日、新潟市東区

新潟 自公を少数にする

しぶや明治氏 たけだ勝利氏 遠藤れい子氏 ふじのき浩子氏 ひららぎ哲也氏

 7日投票の新潟県議選で、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働の是非が最大の争点になっています。

 原子力規制委員会は2017年10月、同原発の6・7号機に再稼働の「合格通知」を出しました。ところがその後、構内の重要設備に液状化対策がされていないことが判明。安全とは程遠い状態です。

 地元紙の県議候補へのアンケートで、再稼働についての質問に、県議会で7割を占める自民党と公明党の候補のほとんどが「判断できず」と回答。県民の6割を超す反対世論に押され、原発推進の本音を隠して選挙を乗り切る作戦です。

 日本共産党の、しぶや明治、たけだ勝利、遠藤れい子、ふじのき浩子、ひららぎ哲也の5人の県議候補は、原発再稼働にきっぱりと反対。「再稼働ストップ、原発ゼロの願いは、党派を超えて私に託してください」と訴えると、強い反応があります。対話では、自民党県連が14年に再稼働推進を決議していることを伝えると驚きの声が上がります。すかさず「自民党を落として原発を止めましょう」と訴えると「その通りだ」と支持が広がります。

 市民と野党の共闘が発展する新潟県。多彩な人たちが、共産党候補に再稼働ストップの願いを託します。

 県議会で与野党逆転をめざす「バランスのとれた県議会を実現する県民の会」は1月、脱原発を掲げる候補16人と政策協定を締結。共産党の5人の候補も同会と協定を締結し、全員当選で原発推進の自公勢力を県議会で少数派に追い込むことをめざします。

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(写真)訴える、さとう正雄候補=3月29日、福井市

福井 再稼働は許さない

さとう正雄氏

 全国最多の15基の原発が立地する福井県。3人オーバーの激戦となっている県議選・福井市区(定数12)で、日本共産党の、さとう正雄候補が原発ゼロ・自然エネルギーへの転換を訴えて奮闘しています。

 原発問題は県内でも重要争点の一つとなっており、さとう候補は、有権者の「原発はこわい。やめてほしい」との声を真正面から受け止めて訴えています。

 県内の原発は7基が廃炉決定している一方、関西電力の4基が再稼働しており、さとう候補は「本州で原発を動かしているのは福井県だけです。電力不足は起きていません。原発ゼロの新しい福井を」と訴えています。

 とりわけ問われているのが、安倍自公政権と関電が狙う、運転開始から40年以上たった高浜1、2号機(高浜町)、美浜3号機(美浜町)の老朽原発3基の再稼働です。この危険極まりない動きに、自民、公明の全候補が地元紙のアンケートで「賛成」「どちらともいえない」と無責任な回答をしています。

 さとう候補は「こんな自民、公明の議員で占められたら、次は福井で原発事故が起きかねない」と強調します。同時に指摘するのは、11人が死傷した2004年の美浜3号機事故です。当時、さとう県議しか要求する県議はいませんでしたが、関電は点検のため、すべての原発停止に追い込まれました。

 さとう候補は「共産党の議席は1議席でも、県民の運動と連携し、県民の声を代弁するから政治を動かします」と訴えます。

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(写真)原発ゼロを訴える大国陽介候補=2日、島根県出雲市

島根 原発ゼロきっぱり

尾村としなり氏 大国陽介氏

 島根県議選で、日本共産党は松江市区(定数11)の尾村としなり県議、出雲市区(同9)の大国陽介県議が原発ゼロをめざし、現有2議席確保へ奮闘しています。

 中国電力島根原発(松江市)は現在、2号機の再稼働、3号機の新規稼働が狙われており、争点の一つです。

 党県議団は唯一、毎議会で島根原発の問題を追及してきました。同原発の耐震安全性を検証するため、専門家や市民の協力を得て地形を調査。同社を再調査に追い込み、原発付近を通る宍道(しんじ)断層の長さを25キロから35キロに訂正させました。

 出雲市区は大国候補のほか、自民5、公明1、立憲民主1、無所属5の計13人が9議席を争う激戦。他陣営も「横一線の状況」と厳しさを訴えています。

 寒風が吹き、雨あられも降った1、2日。大国候補は何としても勝ち抜かせてほしいと声を振り絞りました。

 演説を聞いた人からは「中国電力、県や国にも原発を止めるよう求めてほしい」などと声援が寄せられています。支部や後援会員らが電話で対話すると、「再生可能エネルギーに変えるべきだ」などの意見も多く、原発ゼロへの期待が広がっています。

 大国候補と尾村候補は「共産党は、電力会社やその労働組合などから企業・団体献金を受け取りません。だから原発ゼロをきっぱりと主張できる。原発ゼロの島根をつくるため、最後まで頑張り抜きます」と話します。

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(写真)有権者と握手を交わす井上ゆうすけ候補=3日、佐賀県唐津市

佐賀・唐津 古里汚染させない

井上ゆうすけ氏

 稼働中の九州電力玄海原発(玄海町)を抱える佐賀県議選唐津市・東松浦郡区(定数6)。自民、公明で5議席を占める原発推進勢力と対峙(たいじ)する日本共産党の井上ゆうすけ候補(33)が、「原発ゼロ」を貫く唯一の議席を守り抜くかどうかの大激戦になっています。

 選挙は他に、新人1人を含む自民4人と、公明現職と無所属元職の各1人が立候補。有力候補ばかりの7人が争う少数激戦です。

 玄海原発をめぐって九電は昨年、再稼働反対の県民の声が多い中、自公が支える県知事の同意を得て再稼働を強行。しかし、危険な使用済み核燃料の処理のめどが立たないため、新たに国や九電は原発の敷地外に保管する中間貯蔵施設の建設を狙っています。

 井上候補は「生まれ育った古里を、原発事故で汚染させるわけにはいかない。安心して暮らせる古里をという願いを党派や立場、世代を超えて託してください」と連日、懸命に訴えています。

 一方で告示後、公明陣営の幹部が「井上ゆうすけはトップ当選」と振りまくよう指示するなど、他党の“井上落とし”が本格化しています。

 玄海町で54年前から原発反対の運動を続ける仲秋喜道さん(89)は「絶対になくしてはいけない議席。九電の徹底した締め付けで、住民にものを言わせない雰囲気がつくられてきましたが、きちんと対話すれば、声に出さない原発反対と期待の声があります」と述べ、再選はどれだけ対話を広げられるかにかかっていると語りました。


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