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2019年4月1日(月)

共産党躍進で「維新政治」と「安倍政治」サヨナラの審判を

大阪 志位委員長の訴え(要旨)

 日本共産党の志位和夫委員長が31日、統一地方選の応援で東大阪市と大阪市此花区で行った演説(要旨)を紹介します。


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(写真)訴える志位和夫委員長=31日、大阪府東大阪市

 志位氏は冒頭、定数5を争う府議選東大阪市の、うち海公仁候補(新)、定数2を争う大阪市議選此花区の、せと一正候補(現)の必勝を訴えました。東大阪市議22年を務めた、うち海候補について「高すぎる国保料を引き下げるために独自の試算を示して他会派議員にも共同をよびかけ、4年連続の値下げを実現した実績をもつ、国保問題のエキスパート。東大阪市民にとっても、大阪府民にとっても、いま最も求められている政治家です。大激戦をかちぬかせてほしい」と訴え。大阪市議6期24年の、せと候補について「市民のくらしの何でも相談を続け、駆け込み寺の市議会議員といわれています。学校の教室へのエアコン設置、中学校給食の実現の先頭に立ち、11回も市議会で道理をつくして要求して二つを実現させました。党市議団長として『維新政治』と真正面から対決し、市政を動かしてきた『宝の議席』です」と必勝を訴え。選挙戦の争点と、日本共産党躍進の意義を次のように語りました。

「入れ替わりダブル選」―住民不在の最悪の党利党略

 大阪では、松井府知事、吉村大阪市長が、任期途中で職を投げ出し、「入れ替わりダブル選挙」という異常事態となっています。

 だいたい、法律では、首長が任期途中で辞めて選挙に出て当選しても、首長を務められるのはもともとの任期の残りだけだと決められています。「府と市と入れ替わってさらに4年間続ける」というのは、法の精神を踏みつけにした脱法行為です。4年前の住民投票で否決された「大阪都構想」を何が何でもごり押しする。そのために脱法行為をしてでもさらに4年間知事と市長の座に居座る―このやり方自体が、選挙の私物化であり、住民不在の最悪の党利党略ではないでしょうか。

「『都』構想ストップ、『維新政治』を終わらせる」の一点で共産党は自主的支援

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(写真)志位委員長の訴えを聞く人たち=31日、大阪市此花区

 「大阪都構想」とは何か。看板に偽りありです。大阪府が「都」になるわけではありません。大阪市を廃止し、四つにバラバラにする。大阪市の財源と権限を大阪府に吸い上げ、「一人の指揮官」がやりたい放題できる仕組みをつくる。これが正体です。

 「二重行政のムダを省く」といいますが、「二重行政だ」といってやったのは住吉市民病院つぶしでした。病院や大学、研究所など、福祉や教育のための施設は、二重でも三重でも、たくさんあればあるほどよい。

 「ムダ」というなら、「都構想」の方がよっぽどムダが増えます。新たな特別区庁舎建設など、初期費用だけで800億円、毎年80億円のランニングコストがかかる。そんなお金があるならば、福祉と暮らしに使うべきではありませんか。

 「都構想」は、大阪市を廃止しバラバラにする。そして、いったんバラバラにしてしまったら二度と元に戻ることはありません。地方自治の土台そのものを破壊するという点で、個々の政策問題とは次元の異なる「異質の悪政」です。

 共産党は、「『大阪都』構想ストップ、『維新政治』を終わらせる」の一点で、府知事には小西ただかずさん、大阪市長に柳本あきらさんを自主的に支援し、勝利のために全力をあげます。政党政派の違いをこえ、力をあわせ、「都構想」サヨナラ、「維新政治」サヨナラの審判を下そうではありませんか。

「維新政治」の中身変える最大の力は共産党躍進

 同時に志位氏は、「『維新政治』の中身を変えるためには、日本共産党が躍進することが最大の力となります」と強調。(1)カジノ(2)国民健康保険料(3)教育―の三つの問題を次のように訴えました。

カジノストップ、カジノより暮らしの希望を

 私は、「維新」が熱中するカジノの三つの害悪を告発したい。

 一つは、人の不幸でもうけ、ギャンブル依存症を際限なく広げるのがカジノだということです。大阪市と大阪府が共同で設置した「IR推進局」が、「将来、ギャンブルにのめり込まないために」と題したリーフレットを作成し、昨年12月、府内のすべての高校3年生に配布しました。だいたい高校生にそんなリーフを配らねばならないほど危ないものなら、最初からやらなければよいではありませんか。

 二つ目は、米国の巨大カジノ資本に大阪と日本を売り渡すのがカジノだということです。大阪につくろうとしているカジノの収入は3800億円。シンガポールやマカオのカジノを上回る巨大カジノです。カジノ収入の4割、1600億円を日本人の懐からまきあげ、もうかれば米国に送られ、地域経済はペシャンコになります。大阪を「食いだおれの街」から「行きだおれの街」にしてはなりません。

 三つ目に、カジノはムダな巨大開発の呼び水になります。埋め立て、上下水道、道路、橋などのインフラ整備、地下鉄やJRの延伸などアクセス整備で数千億規模の巨大開発が芋づる式に出現します。

 これがどうして「大阪経済の起爆剤」になるでしょうか。大阪経済をよくするカギは中小企業です。「維新政治」のもとで、中小企業のものづくり支援予算は4分の1にされてしまいました。商店街など商業振興予算は25分の1に激減しました。これは東京都の200分の1です。「カジノより暮らしに希望を」「カジノより中小企業応援を」「カジノより防災を」―この声を大きくひろげ、力をあわせようではありませんか。

高すぎる国保料は値上げでなく値下げを

 国保は構造的危機となっています。加入者の所得は低い。保険料は高い。滞納が15%を超えます。保険証を取り上げられ、医者にかかれず、命を落とす事態が後を絶ちません。

 ところが、「維新府政」は、安倍政権による「国保の都道府県化」を先取りして、市町村の公費繰り入れも、独自の減免もすべて解消し、国保料を府内で一本化する大幅値上げを計画しています。党府議団の奮闘で18年度の一本化は断念させましたが、維新は今後5年間かけて一本化をやると宣言し、市町村に号令をかけています。日本共産党躍進で国保料大幅・連続値上げにストップをかけようではありませんか。

 値下げこそいまやるべきです。全国知事会は公費1兆円を投入して、「協会けんぽ」なみに引き下げることを提言しています。私たちも大賛成です。家族の人数に応じてかかる「均等割」は東大阪市で場合は1人3万6千円、大阪市の場合は2万9千円です。赤ちゃんが生まれたら“出産祝い”が出て当たり前なのに、逆に“出産ペナルティー”というのは間違った政治です。1兆円をいれて「均等割」、世帯ごとにかかる「平等割」を廃止すれば、東大阪市は32万円から19万円、大阪市は31万円から18万円にまで下げることができます。日本共産党躍進で実行させようではありませんか。

「異常な競争と管理の教育」をただし、一人ひとりの子どもを大切にする教育を

 「子どもは競争によって育つ」が「維新」の教育観です。教育関係者の中で「維新の教育は、テスト、テストで、勉強する時間がない」といわれています。府独自の「チャレンジテスト」の結果を、高校入試の内申書に反映させる、こんなことはやめるべきです。大阪市では、学力テストの結果を校長の評価・査定と、学校の予算に反映させるといいます。絶対にやってはならない禁じ手です。

 子どもたちを競争においたてることで本当の学力は決して育ちません。子どもたちに物事が分かることの喜びを伝え、事物そのものへの探求心を育てる仕事が教育ではないでしょうか。そのなかから本当の学力は育っていくのではないでしょうか。カジノ、国保、教育。どの問題でも「維新政治」を転換し、「住民が主人公」の大阪を取り戻そうではありませんか。

消費税10%増税ストップ、平和憲法守る願いを共産党に

 最後に志位氏は、「『維新政治』サヨナラとともに、もう一つサヨナラしなければならないものがあります。『安倍政治』サヨナラの審判を」と熱く訴えました。

 安倍政権がたくらむ消費税10%増税は、政府自身が国内景気の後退の可能性を認めざるを得なくなり、世界経済も減速となるなど「八方ふさがり」で、統一地方選と参院選の2度の審判によって今からでもストップできると力説。

 また自民党が地方選政策で「憲法改正に向け取り組みを強める」と明記したことも告発し、「平和憲法を守りぬく願いは、党をつくって97年、反戦・平和を貫いてきた日本共産党に」と訴えました。


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