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2019年3月28日(木)

チームJCP 光る国会論戦

「安倍政権追い詰めた総合力」

 2019年度予算案をめぐる国会論戦で、日本共産党は総合的なチーム力を発揮し、他の野党も巻き込んで安倍政権を追い詰めました。その論戦をシリーズで紹介します。


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(写真)志位和夫委員長=2月12日、衆院予算委

消費税10%

国民の苦境つきつける

増税根拠は総崩れ

 日本共産党の志位和夫委員長は2月12日の衆院予算委員会で実質家計消費や実質賃金の実態などを示し、安倍晋三首相が強弁する「所得環境の改善」を徹底的に批判。首相は14年の消費税8%増税前の13年平均の「水面上には顔を出していない」と認めざるを得ず、政府の増税根拠は総崩れになりました。

 安倍首相は就業者が380万人増えたとして「景気の好調」を主張。志位氏は増えたという就業者の7割・266万人が65歳以上の高齢者で、約2割・74万人が高校生・大学生のアルバイトだと指摘。低年金・無年金の深刻な実態、高学費に苦しむ学生の現状に追い打ちをかける増税はやめよと迫りました。

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(写真)塩川鉄也議員=2月25日、衆院予算委

 塩川鉄也議員は低所得者ほど増税の影響が甚大だと指摘。低所得の単身世帯では食料費・住居費が低下している現状で政府のいう軽減措置の恩恵があるのかと迫ると「自動車やマンションを買うときも(軽減)措置はある」(茂木敏充経産相)との答弁に、「住居費が減っているのになぜマンション(購入)なのか」と怒りをぶつけました。(2月25日、同委)

 参院では倉林明子、吉良よし子両議員が就業人口の増加を繰り返す首相の欺瞞(ぎまん)を追及。倉林氏は、年金だけでは暮らせない高齢者の深刻な生活実態を詳細に突き付け、高齢者の就業の背景に深刻な貧困があることを示しました(14日、予算委)。吉良氏は、アルバイトに追われる大学生の実態や奨学金返済に苦しむ若者の生活実態を示し、貧困と格差を広げてきた安倍政権の責任をただしました。(6日、同委)

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(写真)倉林明子議員=14日、参院予算委

 安倍政権がいくら「景気回復」を繰り返しても、世論調査では「景気回復の実感はない」が83・7%(FNN、16~17日実施)。25日の参院予算委員会で首相は、「景気回復を実感できない人がたくさんいることも承知している」と述べざるを得なくなりました。

 同日、山下芳生副委員長は安倍政権が進める国保の「都道府県化」、市町村に「標準保険料率」にあわせた国民健康保険料(税)の連続・大幅値上げの圧力をかけている問題で、消費税10%増税とのダブルパンチで国民生活は大破綻すると批判。国保値上げも増税も中止を迫りました。

 日本共産党は、安倍政権が社会保障の伸びを抑制し続けながら、それと反比例して軍事費だけ肥大化させている実態も告発。消費税増税に頼らない財政再建の道筋を示し野党としての存在感も際立たせています。

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(写真)吉良よし子議員=6日、参院予算委

論戦での野党共闘

土台つくった志位質問

 消費税10%増税問題では、野党間で論戦上の共闘が広がりました。その土台を提起したのが日本共産党の志位和夫委員長の質問(2月12日、衆院予算委)でした。

 志位氏は、消費税に賛成の人も含め増税への懸念が広がっているとし、「我が党は消費税という税金のあり方そのものに反対だが、こんな経済情勢のもとで増税を強行していいのか、この点に絞って総理の認識をただす」として質問。首相は賃上げを自慢するが、増税による物価上昇に追いついておらず、実質賃金で景気動向を見るべきだという点を中心に徹底論戦。首相の論拠を崩しました。

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(写真)山下芳生議員=25日、参院予算委

 志位氏に続き14日の衆院本会議では、国民民主党の緑川貴士議員が「名目賃金が伸びたとしてもそれ以上に物価が上昇すれば生活が苦しくなる」と追及。18日には立憲民主党の大串博志議員が「暮らしが良くなっているかどうか一番実感するのは実質賃金だ」、同会派の小川淳也議員が「実質賃金が下がるのはひとえに名目賃金の上昇が物価上昇に追いつかない場合に起こる。この物価上昇は14年の消費税増税と円安政策で安倍政権がもたらした…実際には戦後最大級の消費不況だ」と厳しく批判しました。(衆院予算委)

米軍新基地

「沖縄の民意」と結んで

でたらめ計画暴露

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(写真)小池晃書記局長=5日、参院予算委

 日本共産党は沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設で、7割以上が埋め立て反対の民意を示した県民投票(2月24日)の結果を受け止め、工事を中止するよう要求。辺野古新基地建設は不可能だと、安倍政権を追いつめてきました。

 志位和夫委員長の代表質問に対し、安倍晋三首相は辺野古北側海域の超軟弱地盤の存在を認め、地盤改良のため沖縄県に設計変更の申請が必要と初めて言明(1月31日、衆院本会議)。沖縄県が埋め立て承認を撤回した正当性が示されました。

 これを受け赤嶺政賢議員は、2016年3月の時点で沖縄防衛局が軟弱地盤の存在を知っていたと指摘(2月5日、衆院予算委員会)。事実を隠したまま工事を進めていると糾弾しました。同28日には赤嶺氏に対し岩屋毅防衛相が、軟弱地盤が最深90メートルに及ぶことを初めて公式に認めました。約73万平方メートルで約7万7000本の砂杭を水面から最大70メートルの深度に打ちこむ地盤改良工事を行うと明言。一方、70メートルより下の工事は「硬い地盤がある」などとして必要ないと強弁しました。

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(写真)赤嶺政賢議員=2月5日、衆院予算委

 これに対して小池晃書記局長が5日の参院予算委員会で、独自に入手した防衛省の資料を基に、現有作業船の能力で可能な改良深度が「70メートル」だから“70メートルまでで問題ない”と言い始めたのではないかと追及。岩屋氏は「(沈下の)対策をとる」と沈下の可能性を認めたのです。

 元大手紙編集委員の一人は「小池質問は、基地建設工事の不可能性や計画のでたらめさを明らかにした。ここまで追い詰めた日本共産党の総合力には脱帽だ」と感想を寄せました。

 追い込まれた政府は15日、当初「非公開を前提」としていた新基地建設に伴う地質調査の報告書を国会に提出。「作業船の能力」に合わせて改良深度を70メートルまでとしたことなどの指摘が裏付けられました。

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(写真)井上哲士議員=22日、参院外防委

 報告書提出をうけた井上哲士議員の追及で、防衛省が深度70~90メートルの軟弱地盤について、地盤の強度を示すN値を調査していないことが判明(22日、参院外交防衛委員会)。70メートルより下に「硬い地盤がある」との政府の主張に重大な疑義が生じてきました。

 工期や費用に加え、安全面や環境への影響も分からないにもかかわらず、政府は25日に新たな区画への土砂投入を開始。新基地建設ありきでなりふりかまわず突き進む安倍政権の異常ぶりが際立っています。日本共産党は、普天間基地(宜野湾市)の「危険性除去」を口実に工事を強行する安倍政権に対し、同基地の無条件撤去こそが根本的な解決につながると迫っています。

 

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(写真)新たな区画への土砂投入が続けられる辺野古崎南側=26日、沖縄県名護市

 

 


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