2019年3月27日(水)
教科書に自衛隊記述増
小学校「領土」は政府見解通り
検定結果公表
文部科学省は26日、2018年度に行った小学校教科書の検定結果を公表しました。4年の社会科では申請した3社すべての教科書に自衛隊の記述が登場しました。領土問題では政府見解に忠実に従った記述が強要されました。(関連記事)
小学校教科書の検定は13年度以来5年ぶり(道徳は16年度以来2年ぶり)で、14年に検定基準、17年に学習指導要領が改定されてからは初めて。新しい教科書は来年4月から使われます。
社会科では4年の災害対策・救援のところで、3社すべてが、警察、消防などに加え自衛隊をとりあげました。6年でも南スーダンへの自衛隊派兵について3社すべてが触れ、「道路の補修」に協力したなどと記述。憲法の「平和主義」の説明でも「自衛隊の役割」の記述が増えるなど、自衛隊関係の記述の増加が目立っています。
低年齢のうちから自衛隊について詳しく説明する記述が増えていることは、憲法9条を変えて海外で戦争をできる国にすることを狙う安倍晋三政権の意図をうかがわせます。
領土問題では、細かく検定意見をつけることによって、「北方領土」、竹島、尖閣諸島を「日本固有の領土」と明記させ、尖閣諸島については「領土問題は存在しない」と書かせました。教科書の記述を政府の見解どおりにさせるものです。
今回の小学校教科書の検定には、11教科164点(305冊)の申請があり、すべてが合格。1社が中学校の歴史教科書を申請しましたが、合否が決まる前に取り下げました。