2019年3月23日(土)
真の無償化に逆行
畑野氏 修学支援法案を批判
衆院文科委
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日本共産党の畑野君枝議員は22日の衆院文部科学委員会で、消費税増税を財源とする大学等修学支援法案を批判し、国連人権規約が求める高等教育の漸進的無償化に向けて学費引き下げを行うべきだと主張しました。
畑野氏は、国際人権規約に基づく日本の「高等教育の漸進的無償化」の対象は何かと質問。外務省の三上正裕国際法局長は「授業料などが対象だ」と答弁しました。
世帯所得が減少するなか、大学の学費は上がり続け、平均世帯所得に占める学費は国立大で15%、私立大で20%(ともに15年時点)に上ります。「高学費が家計を圧迫しているという認識があるか」とただした畑野氏に、柴山昌彦文科相は「重い負担の家庭もかなりある」と認めました。
畑野氏は、支援の対象外となる中間所得世帯などの学生の多くが学費引き下げを求めているとして、国に真剣な検討を要求。柴山文科相は「中間所得層についても注視、検討したい」と述べました。
畑野氏は、世帯収入が600万~700万円台以下の学生の授業料を全額免除している大学が多数あるとして、修学支援制度で各大学の中間層を含む全額免除はどうなるのかと質問。文科省の伯井美徳高等教育局長は「精査中だ」として、まともな検討抜きに消費税増税ありきで同法案を提出した実態が浮き彫りになりました。
畑野氏は、「今まで(支援を)もらえた学生が新制度でもらえなくなれば、漸進的無償化に逆行する」と批判。柴山文科相は「何らかの配慮を検討する」と表明しました。