2019年3月22日(金)
学費自体引き下げを
畑野氏 参考人質疑で主張
衆院文科委
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衆院文部科学委員会は20日、「高等教育無償化」を掲げた大学等修学支援法案などの参考人質疑を行い、日本共産党の畑野君枝議員が質疑に立ちました。
同法案は低所得世帯の学生に授業料減免と給付型奨学金の支給を行うもの。大学への要件などを課しています。
畑野氏は、無償化を具体化する文科省専門家会議で座長を務めた三島良直氏に対し、日本政府が2012年に留保を撤回した高等教育の漸進的無償化(国際人権A規約13条2項C)を念頭に議論したのかと質問。三島氏が「理想は分かるが、どれだけ財源が用意できるかとなった」と説明したのに対し、「漸進的無償化と言うなら、政府は学費自体の引き下げを方針とすべきだ」と主張しました。
労働者福祉中央協議会の花井圭子事務局長は「学費の値上がりを放置したままでの支援は、車の両輪として違う」と表明。東京大学の小林雅之教授は、授業料減免と給付型奨学金が初めて一緒に示されたとして、「どの程度の授業料水準がいいのか改めて議論すべきだ」と述べました。
畑野氏は、私立大学の法人理事会を強化する改定法案によって専断的運営を助長しかねない問題に対して、教職員が意思決定に参加する意義を問いました。東京大学大学院の両角亜希子准教授は「教職員の参加は不祥事を防いだり、けん制したりする役割がある」と応じました。
国立・私立大の教育研究を適・不適合と評価する制度の義務付けについて、畑野氏は国の介入を招くと危惧。文科省の中央教育審議会大学分科会長の永田恭介氏は、評価後も「もう一度、大学人の検討を通って改善を促すといい」と述べ、大学の自主性を重視する考えを示しました。