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2019年3月19日(火)

追及 アパート商法の闇

レオパレス不正、社長指示

設計と違う資材使用

第三者委中間報告 「効率化」目的に

 サブリース業界大手レオパレス21(東京都中野区)が開発・販売したアパートで建築基準法違反の疑いが多数発覚した問題で18日、同社は第三者委員会の中間報告書を公表しました。報告書は、設計図と異なる建築部材の使用が当時の深山祐助社長の指示だったと認定。目的は施工業務の効率化だったなどと指摘しました。同社はこれまで、不備を現場の責任としてきましたが、経営上層部ぐるみだった疑いが浮上しました。(原千拓)


写真

(写真)界壁の不備があったアパートの屋根裏。合板のみの界壁で防火材が施工されておらず、界壁の両端は隙間が空いています=三重県桑名市

 レオパレスは屋根裏に設置し延焼や音もれを防ぐ壁(界壁)に、本来の設計とは違う発泡ウレタンが使用されていたと2月に発表しています。報告書は、「重大な問題点」として、建築基準法で共同住宅に求められている遮音性の基準値を満たしていない可能性があると指摘。発泡ウレタンの使用は、当時の深山社長によるトップダウンの指示で、社長直轄の商品開発部門が施工業務の効率化などを目的に行ったと認定。「開発段階で十分な性能試験が行われていなかったことがうかがわれる」と述べています。

 界壁の未施工について同社は昨年4月にアパート所有者らの指摘で多数発覚したとしてきました。報告書では2012年にも同社とオーナーとの民事訴訟で、オーナー側から屋根裏の界壁がないと指摘されていたことを紹介。当時の社内文書で弁護士から「この問題に正面から取り組むべき」だとのアドバイスがあったことを明らかにし、同社が昨年以前から界壁の未施工を認識していた疑いがあると述べています。

 また界壁が未施工の不備について報告書は「体制のずさん・脆弱(ぜいじゃく)さだけでなく、意図を持って組織的に行われていたのではないかと疑われる」と指摘。当時は商品開発段階での法令の適合性判断を行う部署がなく、施工時のチェック機能も働いていなかったとしています。

 第三者委はさらに調査を進め、5月下旬をめどに再発防止策や役員の責任も含めて、最終報告書を取りまとめる予定です。

 日本共産党の宮本岳志衆院議員は、これまでアパート所有者らでつくる「LPオーナー会」とともに国土交通省から聞き取りや要請を行ってきました。国会質問では同社の違法建築について、国交省に全容解明とともに業者登録の義務化などのサブリース規制の法制化を要求。石井啓一国交相から「実態を把握し、結果をふまえて法制化も視野に入れて検討をすすめていきたい」(19年2月)との答弁を引き出しています。


 サブリース契約 大手不動産会社などが、賃貸住宅を土地所有者であるオーナーに建てさせたうえ、一括して借り上げ、長期にわたって家賃収入を保証することをうたった賃貸借契約。サブリース契約をめぐっては、「30年家賃保証」などと勧誘し、オーナーに多額の建設費を負わせる一方、契約して数年で家賃払いを減額・停止するなどのトラブルが多発しています。


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