2019年3月19日(火)
論戦ハイライト
参院予算委 仁比氏の質問
米軍機300機飛来 否定せず
防衛相 九州2基地強化で
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日米政府が沖縄県の普天間基地(宜野湾市)の返還条件の一つとして航空自衛隊の築城(ついき)基地(福岡県)と新田原(にゅうたばる)基地(宮崎県)に「緊急時に多数の航空機を受け入れる基地機能」を整備しようと基地強化を推し進めている問題で、岩屋毅防衛相は18日の参院予算委員会で、「緊急時」に米軍機300機が飛来する可能性を否定しませんでした。日本共産党の仁比聡平議員に対する答弁。
仁比氏が「緊急時の受け入れ機能」の中身を質問したのに対し、岩屋氏は「12機程度の戦闘機、1機程度の輸送機、200人程度の米軍人を受け入れるため整備をする」と答弁しました。
これに対し仁比氏は、1997年の参院国際問題調査会で、普天間実施委員会メンバーで米海兵隊のキング大佐が「必ず来るということではない。300機を受け入れる装備能力が必要だ」と発言したことを紹介。96年1月23日付で沖縄の第1海兵航空団がキャンベル米国防次官補代理(当時)へのメモに「有事には航空機300機が普天間を使用する」「有事の際は代替施設にも普天間基地と同等の役割を負わせる」と明記されていることも示し、「米軍はさまざまな事態への対応を考え、日本側と協議しているはずだ」と真相を追及しました。
岩屋氏は「どのような『緊急時』かによる。事態に応じて日米間で調整をする」と、300機飛来の可能性を否定せず、米空軍以外にも米陸・海・海兵隊が両基地を使用することもありえると米側から説明を受けていると述べました。
仁比氏は、両基地の受け入れ体制が米軍機12機程度と説明してきた政府に対し「施設をつくればそんな保証なんてどこにもない」と糾弾。岩屋氏は「日米間でさまざまなやりとりはしている」と認めました。
仁比氏は「やり取りを認めながら住民と自治体にも隠して、整備を推し進めるのはとんでもない。緊急時の判断を決めるのは米軍だ。世界一危険な普天間基地の苦しみはどこに移しても同じだ」と強調し、普天間基地の無条件撤去を米政府に求めるよう主張しました。
違法開発に乗じ米軍基地化 倫理に反する
鹿児島 馬毛島へ訓練移転やめよ
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「辺野古でも本土でも、民意を踏みにじる米軍基地の増強は許されない」―。
18日の参院予算委員会で、鹿児島県の馬毛島(まげしま)への米軍空母艦載機の離着陸訓練(FCLP)移転を無法に進める日本政府をただした日本共産党の仁比聡平議員。沖縄県辺野古の新基地建設とともに、同訓練基地の計画を即時中止するよう求めました。
馬毛島は2011年に政府が基地候補地に挙げ、今年1月に防衛省と地権者のタストン・エアポート社が「破格の160億円で仮契約」と報じられました。しかし、防衛相は「交渉中」「協議中」「答弁は差し控える」と連発するだけ。
仁比氏は、同社が島を違法に乱開発し、鹿児島県や地元自治体に深刻な環境被害と苦労が強いられていると指摘。「違法開発による環境破壊に乗じて島を取得し、米軍基地化を推し進めるのはおよそ倫理に反する」と追及しました。岩屋毅防衛相は、同社の乱開発について「コメントする立場にはない」と開き直りました。
仁比氏は、同社が140億円もの抵当権があるもとで、原田憲治防衛副大臣が「抵当権などがついたままの取得もあり得る」と答弁したことを紹介。「悪行の限りを尽くしてきたのに破格の優遇をするのか」と住民の怒りを代弁しました。
岩屋氏は「所有権以外の権利が設定されているときは、あらかじめ消滅させてから取得する」と抵当権付きの土地買収は否定せざるを得ませんでした。仁比氏は「国有財産法に照らしても破格の利得を得させるやり方は許されない」と力を込めました。
仁比 交渉を中止し、一切の経過を明らかにすべきだ。
首相 地元の理解を得られるよう丁寧に説明をしていく。
仁比 民主主義も地方自治も関係ないと言わんばかりのやり方だ。馬毛島の米軍基地化は断念すべきだ。
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