2019年3月15日(金)
大学関連法案の廃案を
“学問の自由侵す法改正”
全大教・私大教連
全国大学高専教職員組合(全大教)と日本私立大学教職員組合連合(日本私大教連)は14日、今国会に提出されている大学関連法案は大学に経営の論理を全面的に持ち込み一律の改革を迫るものだとして廃案、あるいは大幅修正を求める共同記者会見を行いました。
「大学等修学支援法案」および「学校教育法等改正案」が衆院本会議で審議入りしており、後者の法案は、学校教育法、国立大学法、私立学校法、独立行政法人大学改革支援学位授与機構法の四つの法律の一部改正が束ねられたものです。
会見した全大教の長山泰秀書記長は、いずれの法改正案も従来の大学のあり方を根本から変更し、学問の自由を侵す内容を含むと指摘。政府・与党が、高等教育無償化を看板に掲げ、これらの法案を一括で審議しようとしていることについて重大な懸念を表明し「国会での十分な審議で問題点を明らかにした上で、法案の廃案を求める」と述べました。
日本私大教連の照本祥敬(ひろたか)委員長は、修学支援法案について、少子化対策や貧困解決への効果は極めて限定的である上に新たに深刻な問題を生じさせると批判。支援対象となる大学に、定員充足状況などの「機関要件」を課すことについて「地元の高校生が入学し、地元の幼稚園の先生や、農業青年を育てる地方の大学を切り捨てることにつながる」とのべました。
全大教と日本私大教連は、それぞれ国公立大学および私立大学の教職員の産業別組織として、教職員の待遇改善・地位確立と大学・高等教育の充実をめざしています。
二組織が共同で会見に臨むのは珍しく、これまでには、教授会を諮問機関に“格下げ”し、大学のあり方を大きく変えた2014年の学校教育法改正や、2006年の教育基本法改正時に問題提起を行ってきました。