2019年3月9日(土)

国・東電　責任果たせ

参院予算委で岩渕氏　原発賠償めぐり追及

（写真）質問する岩渕友議員＝８日、参院予算委

　日本共産党の岩渕友議員は参院予算委員会で８日、東京電力福島第１原発事故から８年を迎えるなか、東電とともに国の賠償責任を認める地裁判決が続く一方、裁判外紛争解決手続き（ＡＤＲ）の和解案の拒否、賠償打ち切りが相次いでいる問題を追及しました。

　岩渕氏は、商工業者への営業損害賠償で、事故の影響で失われた利益の「２年分」が将来分として一括で支払われているが、避難指示区域外の被害者には合意件数の半分以下しか支払われていないと指摘。一括支払い後の追加賠償は、請求約９００件のうち合意はわずか９件であり、拒否理由がブラックボックスだと厳しく指摘しました。

　さらに、福島県浪江町で営業再開をめざす生鮮食品業者が追加賠償を求めても、「避難先での営業再開」「他の事業への転換」をすれば賠償は必要ないと東電が拒否したと告発。営業再開ができない原因は原発事故であり、避難先で再開した後も営業利益が減少した業者は７割（県商工会連合会調査）と紹介し、「加害者が賠償するかどうかを一方的に決めるなど許されない」と強く批判しました。東電の小早川智明社長は「個別の内容は回答を控える」、世耕弘成経産相は「東電を指導する」と繰り返すだけでした。

　岩渕氏は、事実上、東電が賠償の上限基準とする中間指針について、実態とかけ離れており、地元首長も見直しを求めているとして、ただちに見直すよう要求。「国と東電が被害者の生活となりわいの再建に最後まで責任を果たすべきだ」と求めました。