2019年3月9日(土)
大阪府知事・市長が辞職表明
同時選へ 市解体狙う党利党略
「大阪維新の会」代表の松井一郎大阪府知事と吉村洋文大阪市長は8日、大阪市を解体する「大阪都」構想のごり押しを狙って府知事・市長のダブル選を4月の議会選に合わせて前倒しで実施するために、それぞれ辞職願を提出し、知事選・市長選に入れ替え出馬する意向を表明しました。
7日に開かれた「都」構想案をめぐる法定協議会では維新側が「都」構想の再住民投票を秋の知事・市長ダブル選と同時に行う工程表を提案。「今任期中で住民投票を実施する」との密約を結んでいた公明党に同意を迫りましたが、同党も含めた維新以外の全会派の反対で否決されました。
両氏は8日、維新本部での会見で「『都』構想がつぶされかけている」(松井氏)、「『都』構想を問いたい」(吉村氏)などと表明。ダブル選で府民の関心を高め、府市両議会でも過半数を獲得したいと議会選にダブル選をぶつける理由を説明しました。ダブル選を、4年前の住民投票で否決された「都」構想のごり押しや、両議会で維新が過半数を占めるテコとする狙いを示したものです。知事・市長入れ替えは、出直し選では得られない新たな任期4年の確保を狙うものでもあります。
知事選は21日に、市長選は24日に告示され、府議・市議の選挙と同じ4月7日に投開票される見通しです。
日本共産党大阪府委員会の柳利昭委員長は同日、記者会見し「『大阪都』行き詰まり・府市政投げ出し選挙だ」と批判。「カジノより暮らしの安心・希望を 『大阪都』ストップ、維新政治転換を」の旗を高く掲げ「保守のみなさんを含む広い共同」でたたかう決意を表明しました。