2019年3月6日(水)
真の無償教育実現へ 市民報告書つくる会
政府と国連委員会に提出へ
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日本私立大学教職員組合連合や全日本教職員組合、日本学生支援機構労働組合など8団体の代表が呼びかけ人となり、市民の手で無償教育の扉を開こうと4日、国会内で「権利としての無償教育を実現し、社会の未来を拓(ひら)く市民報告書をつくる会」の結成総会が開かれました。全国の市民団体代表ら45人が参加しました。
日本政府は2012年に国際人権規約の「教育無償化条項」を批准し、すべての教育段階における無償教育の達成に踏み出しました。
「奨学金の会」の三輪定宣会長(千葉大学名誉教授)はあいさつで、批准によって国連の社会権規約委員会から日本が求められることになった定期報告を政府が行っていないことを批判。「私たちは、定期報告の早期提出を政府に求めるとともに、政府と社会権規約委員会に対する市民報告を作成します。幅広い意見を取り入れた報告書にするため、多くの参加を呼びかけていきましょう」と述べました。
会は、準備会として11回の会合を重ねてきました。今後、▽高等教育までの無償教育▽朝鮮学校生に対する支援▽教育職員の地位向上―など七つの重点項目に照らして、報告書を練り上げていくとしています。
各団体代表が発言し、「国会に提出されている“高等教育の無償化”法案は、学費値上げを大学に迫り、格差を拡大させる構造をもつなど、深刻な問題を抱えている。みなさんとともに改善を迫っていく」(日本私大教連)、「授業料の値下げをすべき時代に東京工業大学、東京芸術大学が今春から約10万円の学費値上げを決めた。若者が未来に希望を抱けるように問題点を学園・学生に知らせ、政府には報告書を出せと迫っていきたい」(全国大学院生協議会)など、実態の報告と決意表明が続きました。
日本共産党の畑野君枝衆院議員と吉良よし子参院議員、立憲民主党の初鹿明博衆院議員が連帯のあいさつ。会は24日に、役員会を開催し、早急に報告書をまとめていくとしています。