2019年2月27日(水)
コンゴ地域のチンパンジー
餌の種類ごとに棒を使い分け
アフリカ中央部、コンゴ民主共和国のビリ=ウエレ地域にすむチンパンジーは餌の種類ごとに長さの異なる棒を使い分けていることがわかったと、ポーランド・ワルシャワ大学などの国際研究グループが霊長類学誌『フォリア・プリマトロジカ』(25日付)に発表しました。
20世紀後半以降、チンパンジーの生息する場所での長期の生態調査が行われるようになりました。その結果、チンパンジーがアリやシロアリの巣に棒を差し込んで捕まえて食べたり、木の実を石で割って食べたりするなど、さまざまな道具を使う文化を持つことが広く知られるようになってきました。
研究グループは、ビリ=ウエレ地域の少なくとも5万平方キロ以上の広大な地域にすむチンパンジーを20カ所で12年間にわたって調査を続けてきました。その結果、この地域にすむチンパンジーはサスライアリを捕まえるときは長い棒を、ハリアリを捕まえるときには短い棒を、地下に巣をつくるミツバチの巣から蜂蜜をすくうときには頑丈な棒を使うなど、道具を細かく使い分けていることがわかりました。
これまで、地域ごとにアリを捕まえる棒の長さが違ったりすることは知られていました。また、ほかの地域では知られていない、大型のカタツムリやカメを餌にしていることも確認されたといいます。
研究グループは、人類の祖先が何百万年も前にどのように道具を開発して使っていたかを知るには、チンパンジーの文化を知らなければ困難だと説明しています。