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2019年2月18日(月)

NHK日曜討論 笠井政策委員長の発言

 日本共産党の笠井亮政策委員長は17日のNHK「日曜討論」で、統計不正問題や消費税増税、日韓関係について各党の政策責任者と討論しました。


統計不正

官邸の圧力含めて突っ込んだ解明と責任の明確化必要

 毎月勤労統計の不正調査をめぐって笠井氏は、今国会で「安倍政権と与党が全容解明を徹底的に妨げ、組織的隠ぺいをしていることが明らかになっている」と指摘しました。

 また、厚生労働省特別監察委員会の樋口美雄委員長を別の役職としてしか国会招致せず、調査の詳細を語らせない与党を「(委員長としての招致を)なぜ拒むのか。なぜ実質賃金の比較を隠すのか。そういう当たり前のことをやらない。官邸の意向や問題意識で統計を都合よく操作したのではないかという疑惑まで浮上している」と批判。「関係者が全て知っていることを話し、必要な資料を全部出すべきだ」と述べました。

 さらに、「統計は国の基本、国民のものだ。戦時中に国家の機密だとして隠し、合理的な判断ができずに戦争で多大な犠牲を生んだ反省から、戦後、真実性の確保が重視されてきた。その信頼が失われれば国を誤ることになる」と強調。自民党の岸田文雄政調会長が「再発防止・統計の信頼回復に与野党協力を」と述べたことに対し、「なぜ今回の不正が起きたのか、官邸の圧力があった疑惑も含めて突っ込んだ解明と責任の明確化が必要だ。それなしに再発防止はない」と力を込めました。

 自民・岸田氏は、勤労統計の調査方法見直しは長年議論されており、「(官邸の動きは)大きな流れの中の話だ。その一点だけをとらえて政府の圧力だ、関与だというのは無理がある」と、“官邸の圧力”を否定。公明党の石田祝稔政調会長も「統計を操作することはできない」と同調しました。

 立憲民主党の長妻昭政調会長は、18年にデータを補正した際に、17年以前の分を合わせて補正しなかった結果、18年の賃金の伸び率が急高したと指摘。自民党総裁選を控え、アベノミクスに都合の悪い結果が出ないよう忖度(そんたく)や圧力が働いた疑いがあるとして、「国会で徹底追及しないといけない」と述べました。

 国民民主党の泉健太政調会長は「政権全体がアベノミクスのために良い数字を出さなければという環境になっていたのではないか」「国会がしっかり調査・解明しないといけない」と強調しました。

 自民・岸田氏は、全容解明について、特別監察委員会など行政の各種検証チームの取り組みを「見守りたい」と、国会での解明に消極的な姿勢を示しました。

消費税10%増税

家計消費も実質賃金もマイナス、増税の根拠は総崩れ

 10月からの消費税10%への増税をめぐっては、2月のNHK世論調査で、景気回復を「実感していない」が66%に上り、「実感している」は8%だったことが紹介されました。

 笠井氏は「安倍首相が言うことより国民の実感の方が正しかったということだ。こんなときに増税するなど論外だ」と指摘。衆院予算委員会(12日)での志位和夫委員長の追及に、安倍首相は、家計消費は8%増税前の水準に回復しておらず、実質賃金もマイナスだと認めたとして、「10%増税の根拠は総崩れだ」と述べました。

 そして、「複数税率とポイント還元は、新たな負担になるとして業者には大不評だ。国民の6割以上もポイント還元に反対している。安倍首相は国会で『いただいた増税分は全て還元する』と繰り返すが、それなら増税しなければいい。中止すべきだ」と主張しました。また、「消費税は富裕層・大企業減税の穴埋めに使われ、年金削減、医療費負担の増加などが連続し、社会保障の拡充にはつながらなかった。『消費税増税は社会保障のため』というのは、まやかしだ」と批判。「アベノミクスで空前の大もうけをした富裕層・大企業優遇の税制にメスを入れれば、10%増税分の財源は確保できる」として、「消費税に頼らない別の道への転換」を提案しました。

 自民・岸田氏は「GDP(国内総生産)はもちろん、雇用・企業収益は大変力強い」「消費税引き上げを円滑に行えるよう努力する」と強弁しました。

 立民・長妻氏は「今回の10月の消費税(増税)は認めることはできない」と表明。国民・泉氏も「引き上げは認められない」と述べました。

日韓関係

消えぬ個人請求権 一致点で協議こそ

 日韓関係をめぐって笠井氏は「日韓はとても重要な関係だ。朝鮮半島の非核化と平和に向けた米朝再会談があるときだけに、悪化させてはいけない。互いに対立をあおってはいけない」と強調。「重要なのは、侵略戦争と植民地支配に対する日本政府のきちんとした反省を前提とすることだ。この立場で、個々の問題について冷静に話し合う姿勢が求められる」と述べました。

 各党から、日本企業に元徴用工への賠償を命じる韓国大法院(最高裁)判決や韓国政府の姿勢への批判と「毅然(きぜん)とした対応」を求める声が相次ぐなか、笠井氏は「日韓請求権協定によって被害者個人の請求権が消滅していないことは、日韓の政府と最高裁の4者が一致している。一致点を重視した冷静で真剣な話し合いが必要だ」と力を込めました。


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