2019年2月9日(土)
松橋事件 無罪確定へ
熊本地裁来月判決 再審は即日結審
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熊本県宇城(うき)市(旧松橋=まつばせ=町)で1985年に男性が刺殺された「松橋事件」の再審初公判が8日、熊本地裁(溝國禎久裁判長)であり、即日結審しました。3月28日の判決で「無罪」が言い渡される見通しです。
溝國裁判長は、唯一の有罪の根拠とされた証拠の「自白調書」についての証拠調べを検察が求めたことに対し「確定審、再審請求の結果から必要性がない」として却下。検察の異議についても「理由がない」として棄却し、検察側が自白調書の証拠提出を撤回して証拠調べを終了しました。
検察側は、殺人罪についての新たな主張・立証は行わないとし、「裁判所の判断に従う」としており、宮田浩喜さん(85)の無罪が確定する見込みです。
公判後の記者会見で宮田さんの次男の賢浩(まさひろ)さん(60)は弁護団、支援者に謝辞を述べ「(亡くなった)兄の遺志を引き継ぎ裁判に関わった1年半は、非常に長く感じられ、これまでたたかってきた兄の苦労がしのばれる」と振り返りました。
弁護団代表の齊藤誠弁護士は、宮田さんが切望していた汚名の返上ができることを報告したいと話しました。村山雅則弁護士は、再審請求について、検察が持っている証拠を開示させるのに苦労することや、地裁、高裁で再審の判断が示されても検察が不服請求できることなど、再審開始までの時間が引き延ばされることを指摘し「法改正などの整備を含めた対応を求めたい」と述べました。
傍聴支援には、国民救援会熊本県本部の加藤修会長(弁護士)らが駆け付けました。