2019年2月4日(月)
F35B 寿命10年か
米国防総省 想定の4分の1
18年度 欠陥3仕様941件 まさに“浪費的爆買い”
米国防総省の運用試験評価局は1月31日に米議会に提出した2018年度の年次報告書で、初期に製造されたF35Bステルス戦闘機の寿命が想定の8000飛行時間を大幅に下回り、2100時間以下にとどまる見通しを示しました。
短距離離陸・垂直着陸が可能なF35Bは米海兵隊に配備されており、強襲揚陸艦に搭載されます。安倍政権も昨年末に決定した新たな防衛大綱に基づき、42機を導入し、護衛艦「いずも」に搭載して違憲の攻撃型空母にする狙いです。
年次報告書によれば、F35Bの退役は2026年度には寿命に到達する見通しです。同機は16年11月に運用試験を完了し、17年1月に米海兵隊岩国基地(山口県)に実戦配備されました。戦闘機の寿命はおおむね30年程度ですが、わずか10年程度で寿命がつきる可能性があります。
また、米国防総省はF35Bの耐久試験を第2段階まで完了させたものの、多くの修正や隔壁の修理などのため、第3段階の試験を17年2月に停止したとしています。これまで、同機の耐久試験では「構造的なひび」が指摘されていました。
さらに年次報告書は、F35A(空軍仕様)、同B(海兵隊)、同C(海軍)の3タイプ全体で941件の欠陥を指摘しました(18年4月現在)。昨年の報告書でも992件の欠陥を指摘していました。
昨年9月には、F35Bが米南部で墜落し、一時、全機を飛行停止にしていました。
安倍政権はすでに導入が決まっている42機に加え、新たに105機のF35ステルス戦闘機を追加し、147機態勢にする計画です。F35Aの機体単価は116億円で、F35Bはさらに高額となる見通しです。防衛省は機体の寿命を30年と想定していますが、F35Bの機体構造に改善がなされなければ、短期間で機体の買い替えや大規模な改修を余儀なくされます。文字通り“浪費的爆買い”に直結します。