2019年2月1日(金)
安倍首相、ことごとく答えられず
代表質問への答弁 志位委員長が感想
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日本共産党の志位和夫委員長は31日、国会内で記者会見し、同日の衆院本会議で行った代表質問に対する安倍晋三首相の答弁への感想を問われ、「全体として、国政の基本問題について焦点を絞って聞いたが、ことごとく答えられなかった」と語りました。
志位氏は、厚生労働省の毎月勤労統計の不正問題で、組織的隠ぺいを否定した特別監察委員会の報告書の結論は撤回されるべきだと求めたのに対し、安倍首相から答えがなかったと指摘しました。
消費税10%への増税の問題では、深刻な消費不況を具体的な数字で示してただしたが、安倍首相が国内総生産(GDP)ベースでみた消費基調が「持ち直している」と答弁したことに言及。GDP統計の「家計最終消費支出」には、「持ち家の帰属家賃」が含まれているとし、「これは実際の消費がされていない、まったく架空の消費だ。これを除くと3兆円減っているのが事実だ。帰属家賃を相変わらず含めたフェイク答弁だ」と批判しました。
志位氏はさらに、統計不正により政府の言う「賃金上昇」は虚構だったと強調。安倍首相が「連合」の調査を引いて「5年連続で今世紀に入って最高水準の賃上げ」と答弁したものの、「これは名目であり、物価上昇率を加味した実質でいうと、2013年から18年の賃金水準は1・0%しか伸びていない」と指摘しました。今世紀に入ってからの推移も示し、「『今世紀最高の賃上げ』でなく、“今世紀最悪のレベル”となっているのが事実だ」とし、「『賃金上昇』は全くよりどころがなくなり、増税の根拠が二重三重に崩れた」と述べました。
志位氏は、日ロ領土問題について、「2島先行」でなく、「2島で終わり」が政府の方針ではないかと質問しても、首相が否定しなかったと指摘。「まさにそれ(2島で終わり)で事を進めていることが明瞭となった」と述べました。
さらに、首相が最後の答弁で、千島列島の返還は「サンフランシスコ条約で放棄しており、返還を求めることはなしえない」との姿勢を示したことを挙げ、「今の政府の方針の行き詰まりを自ら証明した答弁だった」と述べました。「領土不拡大という戦後処理の大原則に照らして、ヤルタ協定とサンフランシスコ条約の取り決め自体が不公正だった。ここまで問題を詰めて提起しないと解決しないことが、非常に鮮やかに出た答弁だった」と語りました。