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2019年1月31日(木)

実質賃金 マイナスも

野党合同ヒアリング 厚労省認める

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(写真)勤労統計不正「賃金偽装」野党合同ヒアリング=30日、国会内

 毎月勤労統計不正「賃金偽装」に関わる野党合同ヒアリングが30日、国会内で開かれ、厚生労働省の担当者は、2018年の実質賃金伸び率がマイナスになる可能性を認めました。

 厚労省は勤労統計で実質賃金を、名目賃金指数を基に算出しています。野党側は、18年に調査企業が変えられており一部で異なる企業を比べることになるため、名目賃金を基にするのは不適切と指摘。17、18年に共通する企業のデータのみを基にした「参考値」で比べるべきだと主張しています。厚労省も「景気指標としての賃金変化率は参考値を重視する」としています。参考値で算出すると、18年の実質賃金はマイナスになります。

 参考値を使った野党側の試算について厚労省の屋敷次郎大臣官房参事官は、厳密に計算しても「同じような数値が出ると予想される」と答えました。

 日本共産党の高橋千鶴子衆院議員は「厚労省自身が前年と比べるしかないと言っている」と強調。厚労省が実質賃金を算出し直すよう求めました。

 野党側は、18年に抽出方法を変更したのは「麻生太郎財務相の発言がきっかけだったのではないか」と追及。抽出方法の変更で、数値を高く見せる狙いがあった疑いがあります。厚労省担当者は明確に答えませんでした。

 勤労統計は17年まで「30人以上の事業所」の抽出企業を2、3年に1度、総入れ替えしていました。15年10月の経済財政諮問会議で麻生財務相が抽出方法の変更を要求。18年に、総入れ替えから部分入れ替えに変更しました。


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