2019年1月29日(火)
辺野古の新護岸着工
サンゴ移植不許可のまま
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沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐり、防衛省沖縄防衛局は28日、新たな護岸工事に着手したと発表しました。辺野古崎東側のN4護岸で、大浦湾側に伸びる護岸の着手は初めて。さらにK8護岸にも着手します。付近には移植対象の小型サンゴ群が生息したままになっており、国内外での批判はいっそう高まることになりそうです。
防衛局は昨年12月、辺野古崎東沖の小型サンゴ3万9590群体、大型サンゴ類22群体の特別採捕許可申請を行いましたが、沖縄県は今月16日、不許可としました。しかし、沖縄防衛局の環境監視等委員会は22日の会合で、護岸工事に着手しても、サンゴの生息環境に影響がないと判断。N4護岸とK8護岸の一部(全長500メートルのうち250メートルまで)の着工を了承しました。
防衛局が着工を急ぐ背景として、辺野古崎南側での埋め立て土砂の投入を加速させる狙いがあると指摘されています。土砂投入は昨年12月14日に開始されましたが、土砂運搬船が接岸できる護岸は大浦湾北側の1カ所(K9護岸)しかなく、1日あたりの量は限られていました。
加えて、防衛局は3月25日から新たな区画での土砂投入を狙っているため、新たな桟橋が不可欠になっているとみられます。
ただ、K8護岸の先にはサンゴに加え、超軟弱地盤が存在。県が設計変更申請を承認しない限り、その先の工事は不可能です。
政府の狙いは着手可能な区域で工事を加速し、県民をあきらめさせることにあります。2月24日に全県で実施される見通しの県民投票で「新基地ノー」の圧倒的な民意を示すことが求められます。