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2019年1月19日(土)

統一地方選挙政策アピール

暮らしに希望を 力あわせ政治を変えよう

2019年1月18日 日本共産党

 日本共産党が18日に発表した統一地方選挙政策アピール(全文)は次の通りです。

 統一地方選挙がせまってきました。地方自治体が政府の「下請け機関」でいいのか、住民の福祉を増進し、教育・子育てへの行政の責任を果たす自治体本来の姿を取り戻すのかが問われています。同時に、この選挙は、おごれる安倍政治に審判をくだし、新しい政治に変えていく絶好のチャンスです。

1 安倍政治に審判くだし、新しい政治を切り開く選挙に

(1)ウソとゴマカシの強権政治ノー、暴走ストップの審判を、新しい政治を開く選択を

 民意無視の強権政治はひどくなる一方です……安倍政権は、安保法制=戦争法、共謀罪、秘密保護法をはじめ、国民多数が反対する悪法を「数の力」で強行し続けています。沖縄県知事選挙で示された民意に逆らい米軍基地建設を強行する姿は、この政権が国民の声に耳を傾ける姿勢がみじんもないことを示しています。

 この強権政治は、ウソと隠蔽(いんぺい)の政治と表裏一体です……森友・加計疑惑では、安倍首相のウソにつじつまを合わせるために、まわりがウソをかさね、公文書の改ざんまで行われました。南スーダンでの自衛隊の「日報隠し」、「働き方改革」法をめぐるデータねつ造、外国人労働者の劣悪な労働実態が記された調査結果の改ざんと隠蔽、そして勤労統計の偽装など、強権政治を押し通すために、“ウソと隠蔽”の政治も、ひどくなる一方です。

 「戦争する国づくり」への危険な暴走……安倍政権は、集団的自衛権行使容認の閣議決定と安保法制=戦争法を強行し、違憲の大軍拡をすすめ、憲法9条改悪をねらうなど、「戦争する国づくり」への危険な暴走を続けています。この動きは、朝鮮半島で非核化と平和の流れが起こるもとで、深刻な矛盾に直面しています。

 経済も、外交も、「自慢」できるものはありません……アベノミクスで、もうかったのは一握りの富裕層と巨大企業だけで、国民には景気回復の実感はありません。外交でも、トランプ大統領のいいなりの従属外交、日ロ領土問題でプーチン大統領に日本の主権を主張できない屈辱外交と、安倍外交も破たんに陥っています。

 安倍政治に代わる新しい政治へ――市民と野党の共闘をすすめる大きな力を日本共産党の躍進で……強権で、何でも押し通そうとする安倍政権ですが、それは「強さ」の表れではなく、国民にまともに説明できないという、安倍政治の破たんの表れです。こんな内閣は一日も早く終わらせようではありませんか。日本共産党の躍進は、安倍政治への最大の痛打です。そして、安倍政治に代わる新しい政治への選択となります。

 沖縄県知事選挙での「オール沖縄」の勝利は、大義のもとに結束して、心ひとつにたたかえば、首相官邸と自民党、公明党が総力で挑んできても勝利することができることを示しました。野党が本気で力をあわせれば、安倍政権を倒すことができます。

 日本共産党は、市民と野党の共闘を“本気の共闘”へと発展させ、野党が結束して安倍政権に立ち向かう力強い共闘を築くために全力をあげます。

(2)消費税増税ノーの声を示す選挙に――暮らし第一で経済を立て直す改革の提案

消費税10%増税の中止を

 消費税率10%への増税は、家計を直撃し、消費不況をさらに深刻にします。暮らしも経済も壊す大増税です。低所得者ほど負担の重い消費税の増税は、「アベノミクス」で広がった貧困と格差をさらに拡大します。「増税必要」の立場の学者や経済人からも、「こんな経済情勢で増税を強行していいのか」という声もあがっています。日本共産党は10月からの消費税増税中止の一点での共同を広げ、中止させるために全力を挙げます。

 「増税の影響緩和」とする政府の「景気対策」は、異常で奇々怪々なものです。目玉の「ポイント還元」は、食料品を8%に据え置く複数税率とセットになることで、買う商品、買う場所、買い方によって、実質的な税率が10、8、6、5、3%と5段階にもなり、高額所得者ほど多くの「ポイント還元」になるという、混乱と不公平を招きます。住宅や自動車の減税、公共事業の追加を合わせれば6兆円もの、でたらめな「ばらまき」です。複数税率にともなう「インボイス」導入(実施は4年後)は、年間売り上げが数百万円しかない消費税免税事業者に新たな税負担と事務負担をもたらし、その影響は、請負労働者や建設職人など、最大で1000万人に及ぶとされます。消費税増税中止こそ最良の景気対策です。

暮らし第一で経済を立て直す五つの改革提言

 日本共産党は「暮らし第一」の経済政策に転換するため、次の五つの改革を提案し、その実現に力を尽くします。

 1、賃上げと労働時間の短縮で、働く人の生活を良くします。

 大企業の巨額の内部留保の一部を賃上げに回す、中小企業への支援を行いながら、最低賃金を全国どこでも時給1000円に引き上げ、さらに1500円をめざすなど、まともな賃上げの実現と、長時間労働やブラック企業の規制をすすめます。

 2、子育てと教育の重い負担を軽減します。

 認可保育所の増設、制服代や給食費などを含めた義務教育の完全無償化、大学授業料の半減と給付奨学金の抜本拡大などをすすめます。

 3、社会保障の削減をやめ、充実へと転換します。

 高すぎる国民健康保険料(税)の負担を軽くするため、公費負担を1兆円増やし、「均等割」「平等割(世帯割)」をなくし、サラリーマンの健康保険料並みに引き下げます。年金、医療、介護、障害者の福祉、生活保護など、憲法25条の生存権を保障する社会保障制度へと拡充します。

 4、日米FTA交渉を中止し、経済主権・食料主権を尊重する貿易ルールを確立します。

 5、巨額のもうけがころがりこんでいる富裕層と大企業に応分の負担を求めます。

 もっぱら大企業だけが利用している優遇税制を改め、大企業には中小企業並みの税負担で4兆円、大株主に欧米諸国並みの税負担を求めるなど富裕層の金融・証券税制の適正化で1・2兆円の財源が生まれます。消費税増税にかわる十分な財源が確保できます。

 安倍政権の暮らしと経済破壊の政策の大もとには、異常な財界中心の政治があります。消費税増税と法人税減税も、劣悪な労働環境を放置して外国人労働者の拡大を急いだのも、カジノの推進も、財界の要求いいなりの結果です。大企業から1円の献金も受けない日本共産党だからこそ、この異常な政治をただすことができます。

(3)「戦争する国づくり」を許しません――日本共産党の“平和のための緊急提案”

違憲の大軍拡、 トランプいいなりの米国兵器「爆買い」を許しません

 安倍政権は、昨年末、新「防衛計画の大綱」、「中期防衛力整備計画」を決定し、5年間で27兆4700億円の軍事費を投入する空前の大軍拡に突きすすもうとしています。

 とくに、安保法制=戦争法のもとで憲法を蹂躙(じゅうりん)した大軍拡計画になっていることは重大です。「いずも」型護衛艦をステルス戦闘機F35Bを搭載できるように改造する、事実上の空母化がすすめられようとしています。敵基地攻撃能力の保有をめざして、相手の射程圏外から攻撃できる長距離巡航ミサイルが導入されようとしています。これらは、歴代政権が「攻撃的兵器を保有することは、自衛のための最小限度の範囲を超えることになるから、いかなる場合も許されない」としてきた憲法上の立場を覆し、「専守防衛」を建前としてきた自衛隊から、「海外で戦争する軍隊」へと変貌させるものであり、絶対に許すわけにはいきません。

 しかも、導入する兵器の多くは、日本政府が米政府と直接契約して購入するもので、トランプ大統領のいいなりに米国製高額兵器を「爆買い」する対米追随の軍拡です。1機116億円とされるF35を147機体制にする兵器購入計画は、その最たるものです。

 ――安保法制=戦争法のもとでの違憲の大軍拡計画の撤回を求めます。

 ――「専守防衛」をかなぐり捨てた、トランプいいなりの「爆買い」をやめさせます。

憲法9条を壊す安倍改憲にストップを

 安倍改憲のねらいは、憲法9条に自衛隊を明記し、戦争の放棄や戦力の不保持、交戦権の否認を定めた9条1項、2項を「死文化」させ、海外での自衛隊の武力行使を無制限にすることです。

 この野望のために、安倍首相は、自衛隊という政治的中立を大原則とする実力組織の高級幹部への訓示で憲法改定の持論をのべ、所信表明演説で「憲法尊重擁護義務」(憲法99条)に反して、改憲は「国会議員の責任」とのべるなど、常軌を逸した暴走をしています。

 しかし、どの世論調査でも、国政に求める課題で「憲法改正」は最下位です。首相は、昨年の臨時国会で憲法審査会に自民党改憲案を提示すると主張してきましたが、国民世論と野党共闘の前に断念せざるをえませんでした。安倍改憲は、国民の明確な反対の意思を示しつづければ、かならず破たんに追い込むことができます。

日本共産党の平和のための五つの緊急提案

 いま求められているのは、憲法を変えることでなく、憲法を生かした平和日本を築くことです。

 1、安保法制をはじめ一連の違憲立法を廃止し、立憲主義・民主主義を取り戻します。

 違憲の集団的自衛権行使を容認し、自衛隊の海外での武力行使に道を開く安保法制=戦争法をはじめ、秘密保護法、共謀罪などの違憲立法を廃止します。

 2、大軍拡を中止し、軍縮への転換をはかります。

 「海外で戦争する国づくり」のための大軍拡を許しません。

 3、在日米軍に異常な特権を与えている日米地位協定の抜本改定をはかります。

 米軍に、全国どこでも部隊を自由に配備し、国内法を無視した訓練を認めるなどの異常な特権を与えている日米地位協定。全国知事会も「抜本的な見直し」を求めています。

 4、「北東アジア平和協力構想」の実現に力をつくします。

 (1)北東アジア規模の「友好協力条約」を締結する、(2)北朝鮮問題を「6カ国協議」で解決し、この枠組みを地域の平和と安定の枠組みに発展させる、(3)領土問題の外交的解決をめざし、紛争をエスカレートさせない行動規範を結ぶ、(4)日本が過去に行った侵略戦争と植民地支配の反省は不可欠の土台になる――という平和協力構想を提唱しています。

 5、核兵器禁止条約に日本政府が署名、批准することを強く求めます。

 異常なアメリカいいなりの大もとには、日米軍事同盟絶対の政治があります。日本共産党は、市民と野党の共闘と野党連合政権には、安保廃棄という課題は持ち込まず、緊急の一致点で団結することを明確にしています。同時に、党の日本改革の方針の根本に、国民多数の意思に基づいて日米安保条約を廃棄し、平和・中立の日本を築くことをすえ、その実現のために力をつくしています。

(4)沖縄での新米軍基地建設強行を許さず、全国の米軍基地の異常をただします 

民意を踏みにじり、 地方自治を壊す沖縄の新米軍基地建設の中止を求めます

 安倍政権は、辺野古新基地建設のために、土砂投入を強行しました。沖縄県知事選で玉城デニー知事を圧勝させた、新基地建設反対という圧倒的な民意を一顧だにせず、異常な強権をむき出しにした暴挙です。

 安倍政権は、行政不服審査法を悪用して、沖縄県による辺野古埋め立て承認撤回の執行停止を決定するという違法行為を行いました。しかも、防衛省の申し立てを国交大臣が審査するというのは「自作自演」であり、とうてい「公正な手続き」といえません。これで法治国家といえるのでしょうか。

 ――沖縄県民の民意を無視した辺野古新基地建設を中止します。

 ――普天間基地の無条件撤去を求めます。

 ――基地のない平和で豊かな沖縄をつくります。

オスプレイの全国展開に反対し、 命と暮らしを脅かす危険な訓練など、 「米軍基地国家」 の異常をただします

 6年前に沖縄に配備されたMV22オスプレイは、日本全国で訓練を展開し、国民の安全と暮らしを脅かしています。それに続き、昨年10月から、CV22オスプレイが横田基地(東京都)に配備され、超低空飛行を含む訓練を各地で実施しています。CV22は、敵陣に低空で侵入する強襲作戦などの特殊作戦を任務としています。その配備によって、横田基地がアジア・太平洋における米軍の特殊作戦の拠点とされたことはきわめて重大です。

 ――危険なオスプレイは、沖縄からも本土からもただちに撤去することを求めます。

 ――住民の安全と暮らしに深刻な被害をもたらす低空飛行やNLP(夜間離着陸訓練)を中止させます。

 ――海兵隊の撤退、空母打撃群の母港返上、日米地位協定の抜本改定など、異常な「米軍基地国家」の現状をただすために力をそそぎます。

(5)原発ゼロの日本に――原発から再生可能エネルギーへ、集中から分散型へ、エネルギー政策を転換します

 東京電力・福島第1原発事故から8年、どの世論調査でも、原発の再稼働反対は揺るがない国民の多数になっており、「原発ゼロ」は国民の願いです。原発輸出も軒並み頓挫しています。ところが、安倍政権は、国民の意思も、いまも被害に苦しむ福島の現実も顧みず、2030年度に電力の20~22%を原発でまかなう計画を策定するなど、原発に固執し続けています。

 昨年の北海道地震による北海道全域停電(ブラックアウト)は、災害に対する電気事業のもろさをあらわにし、電力の安定供給のためには、大規模集中発電から分散型への転換が必要なことを明らかにしました。原発は、大出力であるうえに出力の機敏な調整ができず、大規模集中発電そのものです。原発は「電力の安定供給」でも失格です。

 世界の流れは、脱炭素、再生可能エネルギーです。米カリフォルニア州やドイツは、発電量に占める再生可能エネルギーの割合で、2030年目標は50%です。これに対し、安倍政権の目標は、2030年度までに22~24%にとどまっています。原発や石炭火力にしがみついているために、世界の流れからも大きく立ち遅れています。

 ――住民と関係自治体の同意も、有効な避難計画もないままの再稼働強行を許しません。

 ――再生可能エネルギーの開発と普及をすすめ、循環型の社会をめざします。原発立地補助金を転換し、原発にたよらない地域振興・支援政策に切りかえます。

 ――再生可能エネルギー施設であっても乱開発が許されないのは当然であり、地域の環境保全や防災と両立させます。

(6)日ロ領土問題――戦後処理の不公正をただす立場で交渉を

 安倍首相は、「日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速する」とのべています。自らの任期中に日ロ領土問題に「終止符を打つ」と繰り返しています。

 首相の方針を歯舞、色丹の「2島先行」と見る向きもありますが、「2島で決着」――歯舞、色丹の返還で領土問題を終わりにし、国後、択捉などそれ以上の領土要求を放棄することにならざるを得ません。それは歴代自民党政権の方針を自己否定し、ロシアへの全面屈服になります。こうした“売国外交”は絶対に許されるものではありません。

 安倍首相は、「70年間、領土問題が動かなかった」と強調しますが、戦後、日本政府は、ただの一度も、国際的道理に立った領土交渉をしていません。日ロ領土問題の根本には、米英ソが1945年の「ヤルタ協定」で、「領土不拡大」という第2次世界大戦の戦後処理の大原則を踏みにじってソ連への「千島列島の引き渡し」を決め、それに縛られて日本政府が1951年のサンフランシスコ平和条約で「千島列島の放棄」をしてしまったことがあります。戦後処理の不公正をただし、全千島の返還を正面から求める道理ある立場に立ってこそ、領土交渉の打開がはかれます。

 ――「秘密交渉」をやめ、領土交渉に臨む政府の立場を国民に説明することを求めます。

 ――歯舞、色丹の「2島返還」で領土問題を終わりにしようという動きは、絶対に認められません。

 ――領土問題の解決にあたっては、(1)中間的な友好条約の締結による歯舞・色丹の返還、(2)千島列島の返還を内容とする日ロ平和条約の締結という段階的解決を求めます。

2 安倍政権の“地方こわし”を許さず、真の地方再生の道へ――「四つの転換」をすすめます

 「住民福祉の機関」の役割を取り戻し、“暮らし福祉が第一”へ……いま地方は、住民の暮らしの困難、福祉・医療の危機、地域経済の衰退、災害の復旧と備えなど、多くの課題に直面しています。地方の衰退は、長年の自民党政治が招いたものですが、安倍自公政権は、これに輪をかけて“地方こわし”――国の制度改悪による社会保障削減や、「広域連携」「集約化」と称した都市部での中心市街地への開発と立地の集中、学校や病院、公営住宅をはじめ公共施設の統廃合・縮小、上下水道の広域化・民営化など――をおしすすめています。地方自治体が、政府の“いいなり”で住民に負担を強いるのか、それとも国の悪政から住民を守る役割を発揮するのか、こんどの統一地方選挙の大きな焦点です。

 「国際競争力の強化」「世界で一番企業が活躍しやすい国」をかかげ、安倍自公政権は、大都市を中心に環状道路、国際戦略港湾、国際拠点空港の整備など不要不急の大型開発・大規模事業、カジノ誘致合戦などをすすめています。東京オリンピックや大阪万博も、その「口実」にされようとしています。他方で、老朽化した橋・道路など生活インフラの改修、学校・公共施設の耐震化など、暮らしに密着した公共事業へのニーズは強まる一方です。日本共産党は、「住民が主人公のまちづくり」に切りかえ、地方再生に全力をつくします。

 民意にそむく安倍暴走政治に、地方自治体が唯々諾々と従うばかりで良いのでしょうか。これでは「自治」とは言えません。国の悪政のもとでも、「住民の福祉の増進」を使命とする地方自治体は、住民の意思、民意を尊重し、暮らしを守る防波堤の役割を果たすべきではないでしょうか。

 「自民・公明対日本共産党」が、こんどの統一地方選挙の対決構図です……いま多くの自治体で、日本共産党以外の自民党・公明党を中心とする「オール与党」政治が続いています。国いいなりに福祉と暮らし切り捨ての政治をすすめる自公勢力か、地方自治の精神に立って、住民の切実な願いを実現する先頭に立ち、住民とともに地方自治体が悪政の「防波堤」として、まともな仕事をするよう求めて奮闘する日本共産党か――地方自治体をめぐる基本的な対決がここにあります。

 また大阪では、維新政治への審判も問われます。維新は、国政で、安倍政治の補完勢力としての姿をあらわにしています。大阪では、住民投票によって否決された大阪市つぶしの「大阪都構想」にしがみついています。福祉破壊をやめ、暮らしと福祉第一に、カジノより中小企業振興を、異常な管理・競争教育から子ども一人ひとりを大切にする教育へ、などが大きな争点になっています。

 日本共産党は、次の四つの転換をかかげ、その実現のために、住民のみなさんと力をあわせて全力でがんばります。

第1の転換――国の悪政の“防波堤”、福祉と子育て、暮らし最優先の地方政治へ

 安倍政権の福祉切り捨てから住民の暮らしを守る地方自治体に……安倍政権は、この6年間で、1・6兆円も社会保障費の「自然増」を削減し、さらに、社会保障を口実に消費税増税を強行しながら、社会保障をいっそう削減しようとしています。

 国の施策によって、国民健康保険料(税)を毎年のように値上げする動きが広がっています。昨年4月から国保制度は、「都道府県単位化」に移行しましたが、国は、これを契機に「都道府県内の保険料(税)を統一する」として、多くの市町村が保険料(税)抑制のために行っている一般会計からの繰り入れ(全国平均で1人当たり約1万円)を解消するように求めているからです。

 介護保険では、昨年4月に3年ごとの保険料(65歳以上)の改定で値上げが相次ぎ、全国平均で基準額が月5869円、制度開始(2000年度から)の2倍で、これからも3年ごとの値上げが繰り返されようとしています。国が、この間すすめた要支援1・2の方の介護保険外し=市町村の事業化、ホームヘルプサービスの利用回数の制限、利用料本人負担を最大3割、介護施設の不足(特別養護老人ホームの待機者が36万人)などで、高い保険料を払っているのに必要な介護を受けられない事態も広がっています。

 子育て・教育でも、保育所の待機児童は2万人(2018年4月時点)、「待機児ゼロ」は20年度末まで3年間も目標達成を先送りしています。「受け皿」拡大は、保育士が基準の半分の「企業主導型保育施設」など、基準緩和・詰め込み型が中心で、求められる認可保育所の建設が足りず、自治体の公的保育への責任放棄も起こっています。こうした中で「保育の質の低下」が重大な問題になっています。学童保育でも、資格を持つ指導員を2人以上から1人でも可能にする基準の引き下げを実施しようとしており、保護者や関係者の不安と批判が広がっています。

 安倍政権の社会保障削減策の中で、国の社会保障削減に追随してしまうのか、地方自治体が「住民福祉の増進」=住民の福祉、命と暮らしを守るという本来の使命を果たすかどうかが、問われています。

 要求実現の財源はある――ほとんどの自治体が「ためこみ金」(基金)を積み増し……不要不急の大型開発や「大企業よびこみ」の大盤振る舞いなどの無駄づかいをただし、予算の一部を組み替えれば、地方自治体は切実な住民要求にこたえられます。くわえて、この10年余り、地方自治体は「ためこみ金」(基金)を大幅に積み増しています。2017年度の「ためこみ金」は23・8兆円と、2007年度の13・9兆円から9・8兆円、1・76倍も増えています。このうち使い道が自由な財政調整基金だけでも、7兆4636億円で、10年前の4兆2161億円の1・77倍です(総務省「地方公共団体普通会計決算の概要」)。総務省も「優先的に取り組む事業への活用を図る」ことを求め、一方で財務省や財界は、基金の増加に目をつけ、地方交付税の削減を言い出しています。

 日本共産党は、政府に住民福祉拡充と地方自治を保障する財源の確保を求めるとともに、地方自治体が積み増してきた「ためこみ金」も活用し、切実な住民要求にこたえるよう求め、がんばります。

 ――高すぎる国保料(税)を引き下げます。一般会計からの法定外繰り入れの縮減・廃止をやめ維持します。国の制度として、1兆円公費負担増でサラリーマンの健康保険並みにします。

 ――税・国保料の強権的取り立てをただし、住民のいのちと健康を守ります。

 ――介護保険料・利用料の軽減・減免をすすめます。特養ホームなど施設を思いきって増やし待機者をなくすとともに、在宅介護の拡充・改善をはかります。介護労働者の労働条件を改善します。

 ――生活保護の受給基準を削減前の水準に戻し、窓口対応の改善など、必要な人がみんな受けられる制度にしていきます。

 ――障害児・者、難病患者の負担を軽減します。障害者の働く権利、教育を受ける権利を守り、差別解消のとりくみをすすめます。福祉労働者の処遇を改善します。

 ――認可保育園(所)の増設、保育士の処遇改善をすすめ待機児を解消します。給食費も含めた幼児教育・保育の無償化をすすめます。

 ――学童保育を拡充します。指導員の資格と配置の「基準」を堅持、指導員処遇の改善などをすすめ、子どもの安全を守ります。

 ――子ども医療費の無償化を拡充します。国の制度として確立します。

 ――周産期医療、妊産婦ケアを充実させます。

 ――就学援助の充実、学校給食無料化、奨学金拡充などで教育費負担を軽減します。

 ――教職員の大幅増員、少人数学級の実現。学校老朽化対策、すべての教室・体育館へのエアコン設置など教育環境を改善します。図書館の公的運営を守り、拡充します。

 ――一方的な学校統廃合に反対し、住民合意で小規模校を残すとりくみを支援します。

 ――ひとり親家庭への支援の強化、「子どもの貧困」を打開します。

 ――公立病院の統廃合・縮小をやめ地域医療を守ります。

 ――水道の広域化・民営化の押しつけに反対し、安全・安心の水を守ります。

 ――公営・公的住宅の削減をやめ、必要な住民に住宅を保障します。家賃減免・補助の拡充、修繕費負担の軽減、収入が少ない若い世代と高齢者に安価な住宅の提供をすすめます。

 ――地域に必要な公共交通を維持・確保します。「買い物難民」をなくす施策をすすめます。

第2の転換――大型開発依存、カジノ誘致をやめ、地域の力を生かす産業振興、地域の活性化をはかる

 大企業「よびこみ」や「特区」にたよる地域振興策は、全国各地で破たんしつつも、なお続けているところもあります。大型開発・産業基盤(インフラ)整備や補助金の大盤振る舞いが地方財政を圧迫し、暮らしや福祉、中小企業や地場産業のための施策が犠牲にされ、それが地域経済の疲弊に拍車をかけてきました。その反省もなく、こんどはカジノ誘致を口実に大型開発を推進しています。神奈川では、横浜市、川崎市がカジノ誘致を競い合い、誘致のための巨大開発に横浜市は490億円、川崎市では300億円もかけた巨大な橋をつくる計画がすすめられています。

 世界ではいま、国連総会が採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」を合言葉に、貧困に終止符を打ち、地球を保護し、すべての人が平和と豊かさを享受できるようにすることをめざす積極的なとりくみがよびかけられています。

 日本共産党は、住民不在・住民犠牲の浪費と対決し、地域経済を支える住民の消費、地域の産業、中小企業の活動を応援する政策に転換します。

 ――不要不急の大型開発から生活密着・地域循環型に、防災・老朽化に備えた維持・更新を重点に、公共事業を転換します。

 ――カジノ誘致に反対します。カジノでなく、地域の力を生かす振興策をすすめます。

 ――中小企業振興条例・小規模企業振興条例を制定します。すべての中小企業・地場産業・商店街を視野に入れた振興・支援策に転換します。住宅リフォーム助成や小規模工事登録制度を創設・改善します。

 ――公契約条例を制定し、生活できる人件費を保障します。

 ――非正規から正規雇用への転換を促進し、安定した雇用を守り、増やします。「官製ワーキングプア」をなくします。ブラック企業規制条例制定など、ブラック企業・ブラックバイトを厳しく規制します。

 ――農林水産業を地域経済の柱に位置づけ、食の安全、環境、関連中小企業などを地域社会の基盤として大切にする政治に転換します。農協・漁協を解体しようとする「改革」をやめさせます。

 ――米・麦など主要農産物の種子の開発・普及に公的機関が責任をもつ新たな法律や条例をつくります。

 ――家族農業・小規模農業の役割を重視し、各国が支援することを呼びかけた国連の「家族農業の10年」を推進します。

 ――地元の資源を生かした特産品や魅力ある事業を支援します。

 ――文化・スポーツ行政、社会教育を住民・若者の声を生かして拡充します。利用の有料化や値上げをやめ、気軽に旺盛に利用できる施設として拡充していきます。

 ――違法「民泊」の取り締まりを強化し、旅館業法並みのルールを適用させます。

第3の転換――防災と被災者支援の抜本的強化へ

 東日本大震災から8年たつ今でもなお、約5万4千人(復興庁調べ)の被災者が全国47都道府県で避難生活を強いられています。それにもかかわらず、「10年を区切り」などとして、被災者支援の縮小・打ち切り、被災地の切り捨てをすすめている安倍政権は許せません。その後も大阪北部地震、熊本地震をはじめとする地震、西日本豪雨や台風などの豪雨・暴風・高潮被害、火山噴火など、深刻な災害があいついでいます。

 こうした災害では、開発や防災対策のあり方、監視・観測や研究体制の脆弱(ぜいじゃく)さが改めてきびしく問われています。首都直下や南海トラフなどの大地震、台風や豪雨への備えを求める世論も強まっています。「災害列島」とも言われる日本列島の地震活動が新たに活発化しているとの指摘もあります。温暖化など地球規模での気候変動の影響も懸念されています。従来の延長線上でない「防災対策」の抜本的な転換が求められています。

 被災者の生活再建、被災地の復興の大きな障害になっているのが、「私有財産は支援しない」という国の「原則」です。被災者の運動で、被災者生活再建支援法や中小企業再建のためのグループ補助金制度などで、この「原則」は崩れつつありますが、この「原則」を抜本的に転換し、被災者が自力で歩んでいけるまで必要な生活再建に向けた支援を行う政治へと転換させます。

 日本共産党は、被災地の復興は被災者の生活再建を柱に据えながら、防災の抜本的強化に力をつくします。

 ――被災者生活再建支援法を抜本的に拡充し、支援金を当面500万円に増額するとともに対象を半壊などにひろげます。災害救助法にもとづく応急救助を、被災者の生活と生業(なりわい)の再建に結びつくよう充実させます。

 ――安倍政権の「福島切り捨て」を許さず、完全な賠償と徹底した除染を国と東電の責任で行わせます。

 ――災害の危険を無視した開発行為の規制など、経済効率優先でなく防災を重視したまちづくりを推進します。学校や病院・社会福祉施設、大規模集客施設などだけでなく、すべての住宅の耐震診断・耐震補強を促進します。

 ――専門家の知見を結集し、地域防災計画の災害想定を見直し、ハザードマップの整備と住民への周知、高齢者や障害者、住民の安全な避難など地域の防災対策を強化します。

 ――消防職員・災害対応職員を増員し、必要な体制を確保します。

 ――地震・津波や火山、気象の観測・監視体制を強化。地方自治体の避難情報の伝達を的確に行えるようにするため、気象・火山現象などの相談機能の確立・強化をすすめます。

 ――石油コンビナートなど大都市圏臨海部の安全対策を推進します。都道府県単位の防災計画だけでなく臨海部一帯の防災対策に国が責任を持ち、国と地方の関係行政機関と事業所が連携して、消防・防災体制と避難体制を抜本的に強化します。

第4の転換――住民の声がとどく行政・議会への転換

 「平成の大合併」で住民の声が行政や議会に届きにくくなったとの声が広がり、地方政治が「オール与党」のもとで、社会的弱者や少数者の願いが阻まれています。一方、政府は、「人口減少」「自治体消滅」論をふりまき、事実上市町村の役割を切り縮め、地方議会を形骸化させかねない地方制度の改編議論をすすめています。

 住民にとって最も身近な行政である地方自治体が、「住民福祉の機関」「住民自治の組織」として果たす役割はますます重要です。

 日本共産党は“地方こわし”と地方自治の切り縮めの政治を転換し、憲法がうたう「地方自治の本旨」に基づく地方自治体の自主性と、住民が主人公として尊重される地方自治の発揮を保障させるために全力でがんばります。

 ――住民サービス・公共施設の「集約化」の押しつけに反対し、現在の市町村に、住民に身近なサービスの充実と地域の活性化のための役割を発揮させます。

 ――地方の政策・方針決定、意思決定の場に女性の平等な参加を保障するとともに、女性差別やハラスメントをなくします。セクハラ・DV被害者の支援施策を強化します。性暴力対策を抜本的に強めます。

 ――公務労働における非正規雇用の「使い捨て雇用」をやめさせ、正規を希望するパート・有期労働者を優先的に雇い入れることを努力義務化します。

 ――政務活動費の領収書の住民への開示方法改善など、透明性の向上・徹底をはかります。

 ――地方議会が住民の代表機関としての役割を果たせるよう、少数会派・議員の質問や発言の権利の保障、審議時間の十分な確保、審議内容などの住民への徹底した公開などをすすめます。

 ――へイトスピーチ、LGBT差別などを許さず、民主主義と人権を守る積極的施策をすすめます。

 ――政治活動や表現の自由を尊重する開かれた民主的な行政を住民とともにすすめます。

 ――大都市中心の「圏域行政」構想や道州制の導入に反対します。

3 住民と力をあわせて政治をうごかす――日本共産党の地方議員を増やしてください

 いま、市民と野党が力をあわせ、安倍政権の暴走と真正面から対決する新しい政治の流れが成長しています。国政でも地方政治でも、市民と野党の共闘が政治を変える確かな力です。その共闘を前に進め、切実な住民の願いにこたえる地方政治に転換するために、日本共産党の地方議員は、住民と力をあわせてがんばっています。

 日本共産党の地方議員は、都道府県議会と市区町村議会に2762人で、そのうち女性議員は1000人(36・2%)で第1党です(12月末現在)。まだまだ女性議員を増やしていきたいと考えていますが、都道府県議会では、日本共産党は、148人中80人、54・1%が女性議員です。自民党地方議員の中で女性議員は5・4%(都道府県議は3・1%)であり、こうした政党に「女性の活躍」などと言う資格があるのかが、厳しく問われています。

 この草の根のネットワークの力を生かし、全国津々浦々で、住民の苦難を軽減し、新しい政治をめざすうえで、かけがえのない役割を果たしています。

(1)提案と実績――住民の声を届け、政治を動かし、要求を実現

 日本共産党の地方議員(団)の提案は、草の根から地方政治を動かす大きな力です。住民の運動と共同して、自治体が独自に住民の暮らしや福祉、地域経済を守る仕事を各地の地方議会で提案、全国にひろげてきました。

 子どもの医療費助成は、2001年にすべての市区町村が、都道府県の助成制度と一体に実施する制度となり、中学校卒業まで医療費助成を行っている自治体は、8年前の約2割から、通院で86%、入院で94%にひろがりました(厚労省「2017年度乳幼児等に係る医療費の援助についての調査」)。

 子育て支援強化を求める国民の声が強まるなか、党議員が市民団体とともに各地でとりくんだ、就学援助の入学準備金を入学前支給に改善させるとりくみは、全国の大きな流れになり、2018年度新入学分に関しては、全国1741自治体のうち、7割を超える市町村が実施に踏み切りました(2018年12月文科省)。

 また、住宅リフォーム助成、認可保育園の新増設、学校給食の無償化、教室エアコンの設置、給付型奨学金制度の創設、高すぎる国保の負担軽減など、多くの成果をあげてきました。日常的に生活相談活動や住民アンケートを行い、住民の声に耳を傾けることをなによりも大切にし、そこで寄せられた願いを行政と議会に届ける、住民の代表、利益の守り手としての議員本来の活動に力をつくしています。

 相次いだ災害では、真っ先に救援にかけつけ、ボランティアのみなさんと力をあわせて活動し、国会とも連携して、緊急対策と避難所、仮設住宅の改善などに、日本共産党の地方議員が奔走しました。

(2)チェック――住民の立場で行政と議会を監視

 日本共産党は地方議員を先頭に、不要不急の大型開発にきっぱり反対を貫き、「ムダづかいをやめて、暮らし・福祉を優先せよ」と住民とともに運動をひろげています。企業・団体献金も政党助成金も受け取らず、あらゆる利権に無縁な党だからこそ、住民の立場から行政の不正や不公正をチェックできます。

 党県議団がゼロから6人に大躍進した神奈川県では、県政へのチェック力が上がり、政務活動費を使った飲食店での「会合」がなくなりました。日産1社に補助金104億円を投じる異常さや、カジノ誘致とそのための大型開発に奔走する県政を批判、県民の立場から厳しいチェック力を発揮しています。

 全国の自治体で、国保や公共料金など負担増の問題でも、政務活動費や不要な海外視察など議会と議員のあり方の問題でも、住民の目線で厳しくチェックし、是正を求めています。

(3)悪政ストップ――安倍政権の暴走に草の根から立ち向かう力、共闘をすすめる力

 日本共産党の地方議員は、安倍政権の暴走に対抗して、平和・民主主義、暮らしを守るたたかいと共同を草の根から全国にひろげる役割を果たしています。

 消費税10%増税にたいして、秋田県では、県商工団体連合会などが中止を求める陳情を全25市町村に提出、日本共産党の地方議員が民商など住民の運動と共同して合意をひろげ、このうち9議会で意見書が採択され、国に送付されました(2018年12月末現在)。

 核兵器禁止条約の署名・批准を国に求める意見書は、全国357議会、岩手県では34議会中32議会で、可決・採択されるなど、全国の市町村に着実にひろがっています。

 日本共産党の地方議員が増えれば、地域・草の根から安倍政権の暴走にストップをかける力、共同を広げる力を強めることができます。

(4)日本共産党議員がいるといないとでは大違い

 4年前の統一地方選で、日本共産党は前半戦(県議、政令市議)・後半戦(区市町村議)ともに躍進・前進し、七つの空白県議会をなくし全都道府県議会に議席を確保するという党史上初の快挙をなしとげました。

 あらたに空白を克服した各県では、党県議団が巨大開発の浪費など県行政を県民目線で厳しくチェック、大幅に増えた住民の請願の紹介議員として住民の声を議会に届ける、他会派との共同で意見書が採択される、災害救援、子ども医療費の無料化・助成の拡充など子育て支援の強化、特別支援学校の新・増設など教育条件の整備、国保料値上げの抑制・引き下げなど、県議会が様変わりと言える状況が生まれ、切実な県民要求を実現、県民の命と暮らしを守るかけがえのない役割を発揮しています。

 地方議会に日本共産党議員がいるといないとでは大違いです。いま党議員が空白の市町村ではぜひ共産党議員を誕生させてください。またすでに共産党議員のいる自治体では、なんとしても議席を守り、さらに議席を増やし、住民の代表としての党議員(団)の役割を果たさせてください。こんどの統一地方選挙で、ぜひ日本共産党の議席を引き続き確保し、さらに大きく伸ばしていただくことを心から訴えます。


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