2019年1月19日(土)
きょうの潮流
この世から宿題がなくなったら、親も子もどんなに幸せな時間をすごせるだろう…。「宿題が多すぎる もっと遊びたい」(12日付くらし家庭面)に反響が広がっています▼19歳の女性は漢字書き取りの体験を。忘れたり、提出しなかったりすると「忘れたページ数×2+1」ページが翌日に課されました。小学1年生の子の父親は「宿題にサインをするだけでもひと手間だ」と。「いろいろなことを親に強要する権限が教師や学校にあるのか」と憤ります▼親はしょせん教育の素人。筆者もしかり。自らの体験で教えると「それは違う」と突っぱねられ親子げんかに。「音読」もつらい。同じ作品が続くと聞き飽きて、忙しさも相まって適当に聞き流し「はい。全部○」とチェック表を埋めたものでした▼そんな家庭の風景など、ちょっと想像すればわかりそうなもの。一方で「もっと宿題を」と切望する親もおり、教師が宿題をなくすには相当の勇気が必要なのかもしれません▼宿題がないデンマーク。遊んだり、スポーツしたりする時間を確保すべきだとの信念があります。ひるがえって日本では「学力向上」にまっしぐらな文部科学省、教育委員会の圧力は強まるばかり▼形式的な宿題をなくさせた小学校教師は「孤立無援を人に勧めることはできない」と声を上げる大変さに憂えます。でも「小さな変革を成し遂げる、そのやり方なら教えられる」と。疑問を抱くのはあなた一人じゃない。目の前の子の笑顔のためにできることを少しずつ。