2019年1月14日(月)
羽ばたく新成人 復興担い未来へ
成人式@被災地
岩手 宮城 福島
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困難乗り越え 決意新た
岩手・大船渡
東日本大震災の大津波で、400人以上の死者・不明者を出し、約5600世帯が浸水被害を受けた岩手県大船渡市で13日、成人式が開かれ、400人を超える新成人が参加しました。
大震災の犠牲者に黙とう。戸田公明市長が「復興の仕上げに入るが、若いみなさんの力を発揮してほしい」とあいさつしました。
新成人の菊地洋佑さんが「これまで震災で破壊され、復興していく大船渡をみることしかできなかった。これからは復興に携わっていきたい」と抱負を述べました。
式に先立ち三陸ボランティアダイバーズの佐藤寛志代表理事が、大船渡の海の清掃に国内外の5千人のダイバーに携わったと紹介。「世界的にも貴重な、この海は確実に回復しつつある」と講演しました。
宮城・石巻
宮城県では13日、仙台、気仙沼などの各地で成人式がありました。石巻市では1357人が新たに成人を迎え、6地区で式典が開かれました。
会場の一つ、石巻専修大学には、728人の新成人が集合。1時間以上前からスーツや羽織はかま、色鮮やかな着物に身を包み、旧友との再会に喜び合う声が響きました。
式典の式辞で亀山紘市長は「おとなとして生活する中でさまざまな困難が待ち受けていると思いますが、臆することなく、夢や希望をかなえるため力強く一歩を踏み出してほしい」と祝いの言葉を贈りました。
小松茉弥(まや)さんは新成人を代表し、小学校卒業式を目前に控え、経験した東日本大震災について語り、「私たちの経験で得たことを次の世代の人たちに伝えるのが成人としての使命だと思います」とあいさつしました。
福島・浪江
「成人の日」を前にした12日、福島県浪江町成人式が浪江町地域スポーツセンターで開催され、新成人234人中106人が出席しました。
東日本大震災があった時は小学6年生だった新成人たち。「ずいぶん変わったな」「すごく元気そうじゃん」―。久しぶりの再会を喜び、写真を撮ったり、笑顔で語り合ったりする光景であふれました。成人者代表の横山和佳奈さんは、「家族や友人らの支えがあって今日を迎えることができました」と感謝の言葉を述べました。
「震災から8年。小学校6年生でしたが、本当に早いですね」―。東京の大学で法学を学んでいる女性(20)は、「今はまだ漠然としていますが、法律に関わる仕事がしたいと思っています。これからもがんばりたいです」と笑顔で語りました。