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2019年1月12日(土)

医師の残業 年2000時間上限

厚労省案 過労死ラインの2倍

 厚生労働省は11日、医師の働き方改革に関する検討会に、地域医療に従事する医師らの残業時間の上限について「年1900~2000時間」などとする案を示しました。

 月平均で160時間となり、過労死ラインに匹敵するとして問題になっている一般労働者の残業上限・年960時間(来年4月から順次実施)の2倍にもなる異常なものです。

 同省が示した残業時間の上限案は、一般的な医療機関の医師▽地域医療に従事する医師▽技能の向上が必要な医師―の三つに区分して設定します。

 一般的な医師は、一般労働者並みの「年960時間」とする一方、地域医療を担う医師の場合は、医療提供に支障が出る恐れがあるとして特例時間を設ける考えを示しました。

 ただし、次の勤務まで一定の休息時間を保障する「勤務間インターバル」を9時間以上、連続勤務時間を28時間までとするよう義務付けるとしています。

 医師の残業上限規制は2024年度から適用し、特例については、医師の「偏在」解消の目標時期に合わせて35年度末までとする考えを示しました。

 同省は、現状でも年間1920時間を超える勤務医は全体の約1割にものぼると説明。医師の抜本的な増員を置き去りにしたまま、すでに広がっている長時間労働を容認する考えを示しました。

 委員からは「2000時間まで働かせていいという誤ったメッセージになってはいけない」「上限より引き下げていくものでなければならない」などの意見が出されました。


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