2019年1月8日(火)
「LGBTばかりになったら国がつぶれる」
自民・平沢衆院議員が暴言
安倍改憲の危険体現
自民党の平沢勝栄衆院議員は6日、LGBT(性的少数者)について「この人たちばかりになったら国はつぶれてしまう」と発言していたことを取材に対し認めました。
報道によると、平沢氏は山梨県内での集会(3日)で「少子化問題」に触れ、「LGBTで同性婚で男と男、女と女の結婚。これは批判したら変なことになるからいいんですよ。もちろんいいんですよ。でもこの人たちばっかりになったら国はつぶれちゃうんですよ」と発言。「同性婚パートナーシップ証明書」を出している東京・渋谷区などを挙げ、「先進区だとか自慢しているが、私にはその考え方はよくわからない」と述べました。
平沢氏の発言は、LGBTの自己決定と尊厳を深く傷つけ差別する重大な人権侵害です。“子どもを産むことが国への貢献だ”といわんばかりに、国民を「国家の道具」とみなす国家観を示しています。個人の人権確保のために国家権力を縛る立憲主義とは真逆の発想です。
そもそも少子化は自民党政治のもとでの長時間労働や低賃金がもたらしている問題で、少子化と結びつけてLGBTを攻撃するのは無責任の極みです。
昨年7月には同党の杉田水脈衆院議員が「LGBTは生産性がない」などとする一文を月刊誌『新潮45』に寄稿。高まる世論の批判に、同党は「十分に注意するよう指導した」とする「党見解」をホームページ上で公表しただけ。当の杉田氏は謝罪もしていません。その後も自民党国会議員によるLGBT差別発言は繰り返されており、平沢氏の暴言は同党の無反省ぶりを示しています。
何より安倍晋三首相(党総裁)が51歳の杉田氏を「まだ若いから」(2018年9月17日)などと擁護し続けており、その責任は重大です。
平沢氏は、改憲右翼団体・日本会議と連携する議連「日本会議国会議員懇談会」のメンバーで、昨年10月の役員人事で党の最終意思決定機関・総務会の会長代理に起用され、衆院憲法審査会幹事に就任。党改憲推進本部事務総長でもある同氏は、安倍改憲シフトの一翼を担っています。平沢氏のLGBT差別発言は、安倍改憲が立憲主義と人権の破壊につながる危険を如実に示しています。(日隈広志)