2019年1月7日(月)
消費税・辺野古・9条改憲
対決構図くっきり 参院選は大変動のチャンス
NHK日曜討論 志位委員長が発言
日本共産党の志位和夫委員長は6日、与野党党首に内政・外交の重要課題について聞く今年最初のNHK「日曜討論」に出演しました。志位氏は、消費税率の10%への引き上げ、沖縄県名護市辺野古での米軍新基地建設、憲法9条改定などの安倍暴走政治と厳しく対決していくと表明。さらに、7月の参院選は「野党にとってチャンスの選挙」だとし、市民と野党の共闘の勝利、日本共産党躍進をかちとり「“安倍政治サヨナラ”の年にしたい」と述べました。(志位委員長の発言)
安倍晋三首相(自民党総裁)は「もはやデフレではない状況をつくりだした」と“景気回復”をアピール。10月からの消費税10%増税について「リーマン・ショック級の出来事がない限り引き上げを行う」としました。
志位氏は、安倍首相が年頭所感で「景気回復の温かい風が全国津々浦々に届き始めた」と述べたことについて、「多くの国民の実感とまったくかけ離れたものだ」と批判。「5年前の消費税8%(への増税)を契機に、1世帯当たり(年間)25万円も家計消費は落ち込み、昨年の7~9月期のGDP(国内総生産)はマイナス2・5%で、個人消費、設備投資、輸出は総崩れとなった。いまの日本経済が深刻な危機に直面していることは明瞭だ」と強調。「消費税10%は論外だ。草の根から国民の暮らしを応援して経済を良くする。ここに切り替える必要がある」と述べました。
辺野古新基地問題で安倍首相は「普天間(基地)返還のために代替の辺野古に基地を造る」と強硬姿勢を示しました。
志位氏は「(沖縄県知事選などで)あれだけはっきりとした(新基地反対の)県民の民意が示されている。辺野古新基地は中止に踏み切らなければ絶対に解決しない」と強調。「普天間基地は、もともと住宅も役場もあり、にぎわいがあった街だったが、沖縄を占領した米軍が全部つぶして、国際法違反で強奪した土地だ。『代替施設』がなかったら返さないというのではなく、無条件で返還を求め、辺野古新基地はきっぱり断念する。これがいま政府に求められており、そこに踏み込むべきだ」と述べました。
志位氏は、憲法9条に自衛隊を明記する改憲について「憲法改定についての考え方は野党でそれぞれあるが、『安倍政権のもとでの9条改定には反対』で一致している」と強調。「草の根で3000万人署名運動が広がっている。圧倒的な世論で、今年は改憲にピリオドを打つ年にしたい」と語りました。
参院選の野党連携 野党各党党首が主張
参院選での野党共闘では、各野党が「32の1人区で自民党との一騎打ち構図をつくらなければならない」(立憲民主党の枝野幸男代表)、「1人区はしっかり野党で連携していく」(国民民主党の玉木雄一郎代表)、「野党が結集してしっかり手を握れば選挙も絶対に勝つ」(自由党の小沢一郎代表)、「野党、幅広い市民と一緒に安倍政権を打倒する」(社民党の又市征治党首)と決意を示しました。
志位氏は、32の1人区のうち、改選される議員で31人の自民の現職がいると指摘し、「野党が『本気の共闘』をやり、沖縄のような共闘をやれば、大変動がつくれるチャンスの選挙だ」と強調。「野党各党が(協議の)テーブルに着いて、安倍政権打倒と『1人区の一本化』で合意し、その具体化のための協議を速やかに始めることを強く呼びかけたい」と表明しました。
日ロ領土問題
「2島で決着」は絶対認められない 戦後処理の不公正ただす交渉を
番組では、日ロ領土交渉が大きなテーマとなりました。安倍首相は、「領土問題の解決にゆうちょうに時間をかけるわけにはいかない。私とプーチン大統領のもとで終止符を打つ」と、平和条約締結に前のめりの姿勢を示しました。
志位委員長は、日ロ領土交渉に関わってきた元外務省高官が「安倍首相の方針は歯舞、色丹の『2島先行返還』と見られているが、『2島先行』ではなく『2島で決着』が首相の方針だ」と述べていることを紹介。「これは当たっているのではないか。歯舞、色丹の返還で領土問題はおしまい、それ以上の国後、択捉などの領土要求は放棄する。これは絶対にやってはならないことだ」と厳しく指摘しました。
そのうえで「『70年間、動いていない』と首相は言うが、日本政府はただの一度も国際的道理に立った交渉をやったことがない」と述べ、第2次世界大戦の戦後処理の大原則である「領土不拡大」に背いたヤルタ協定(1945年)、サンフランシスコ平和条約(51年)の不公正をただし、全千島の返還を訴える交渉をやってこそ道が開けると強調しました。