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2019年1月5日(土)

共闘勝利と共産党躍進で“安倍政治サヨナラ”の年に

党旗びらき 志位委員長のあいさつ

 日本共産党の志位和夫委員長が4日、党本部で開かれた2019年党旗びらきで行ったあいさつは次の通りです。

 2019年、明けましておめでとうございます(「おめでとうございます」の声)。インターネット中継をご覧の全国のみなさんにも、新春にあたって心からのあいさつを送ります。

沖縄と憲法――二つの大きな成果を確信に、“安倍政治サヨナラ”の年に

写真

(写真)あいさつする志位和夫委員長=4日、党本部

「絶対に負けられない二つのたたかい」で大きな成果

 昨年の「党旗びらき」で、私は、安倍政権と対決する国民のたたかいをあらゆる分野で発展させる先頭に立つとともに、「絶対に負けられない二つのたたかい」に勝利することを訴えました。一つは、沖縄県知事選挙で必ず勝利をかちとることです。いま一つは、安倍首相による憲法9条改定を許さないことです。

 昨年1年間を振り返って、日本の命運を分けるこの「二つのたたかい」で大きな成果をあげたことを、新春の年頭にあたってまず確認したいと思います。(拍手)

 沖縄では、翁長知事の急逝という悲しみをのりこえ、2カ月早まった9月30日の県知事選挙で、辺野古新基地建設反対を掲げた「オール沖縄」の玉城デニー候補が、39万票という史上最多の得票で圧勝しました。

 憲法をめぐって、安倍首相は、憲法審査会を動かして改憲の発議を行うことに執念を燃やしましたが、これを水際で撃退し、憲法審査会への自民党改憲案の提案を、昨年の国会では断念に追い込むことができました。

 もとより、沖縄も憲法も、たたかいは続きますが、昨年、「絶対に負けられない二つのたたかい」で、安倍政権の思い通りにさせない結果をつくったことの意義はきわめて大きなものがあります。みなさんと一緒にこの成果を喜びあいたいと思います(拍手)。そして、沖縄でも憲法でも、「共闘の力」が、安倍政権の暴走を阻む大きな力として働いたことは、私たちに「いかにたたかうか」の展望を指し示しています。このことをみんなの深い確信にして、今年のたたかいに元気いっぱいのぞもうではありませんか。(拍手)

強権政治、ウソと隠蔽の政治がいよいよ極まった

 昨年の安倍政権とのたたかいを振り返って痛感することは、国民の民意を踏みつぶす強権政治、ウソと隠蔽(いんぺい)の政治がいよいよ極まったということです。

 国会での「数の力」をふるっての強行採決は、この政権で常態化していますが、昨年の「働き方改革」一括法、カジノ実施法、改定入管法などの強行は、国会を愚弄(ぐろう)し、空洞化する、かつてなく悪質で無法きわまるものとなりました。

 他方で、ウソと隠蔽の政治が横行しています。森友「公文書」の改ざんは、国会と国民を欺き、歴史を冒涜(ぼうとく)し、民主主義の根幹を破壊する未曽有の大事件でした。隠蔽と改ざんが、裁量労働制のデータ捏造(ねつぞう)、南スーダンに派兵された自衛隊の「日報」隠蔽、技能実習生の失踪データ改ざんなど、あらゆるところで引き起こされました。にもかかわらず政治責任をとった政治家は、誰一人としていないではありませんか。政治モラルの大崩壊が起こっています。

 強権とウソの政治は、安倍政権の強さを表すものでは決してありません。強権とウソに頼るしか、この国を統治する術(すべ)をなくしている。それはこの政権の破たんの証明ではないでしょうか。(拍手)

 安倍政権に日本の民主主義をこれ以上破壊させるわけには断じていきません。今年を、戦後最悪の安倍政権の最後の年――“安倍政治サヨナラ”の年にしようではありませんか(拍手)。目前に迫った統一地方選挙、参議院選挙で、市民と野党の共闘の勝利、日本共産党の躍進をかちとり、今年を、安倍政治を終わらせ、新しい希望ある政治に道を開く年にするために、全力をあげようではありませんか。(拍手)

全国が沖縄のようにたたかおう――日本を変えるたたかいに挑戦を

 安倍政権の命運はひとえに野党共闘の成否にかかっています。

 昨年の野党共闘を振り返って、国会共闘の画期的な前進は特筆すべきものです。安倍政権による「国会空洞化」に抗して、「野党合同ヒアリング」が年間167回を数え、政権を追い詰め、多くの成果をあげました。この共闘の流れを、参院選の共闘へと発展させることができるかどうか。これが今年の大きな課題であります。

 昨年11月28日、6野党・会派の書記局長・幹事長がそろって参加して開催された市民連合のシンポジウムで、「全国32の1人区での野党候補の一本化」が確認されたことは、たいへん重要な前進です。

 シンポジウムでは、安全保障関連法に反対する学者の会代表の広渡清吾東大名誉教授が、「最小でも野党が議席の3分の1を確保して改憲を阻止し、最大で2分の1以上を獲得して衆参のねじれをつくり、野党連合政権の展望を開こう」と訴えました。日本共産党は、広渡さんのいう「最大」を目標にしたいと思います。すなわち野党が「2分の1以上を獲得」する――「自民・公明とその補完勢力を少数に追い込む」ことを目標にすえ、どんな困難があっても粘り強くそれを乗り越えて、「本気の共闘」をとことん追求する決意を表明したいと思います。(拍手)

 まずは、市民連合シンポジウムの確認を踏まえ、野党各党が無条件で協議のテーブルにつき、安倍政権打倒と「1人区での一本化」を政党間で合意し、その具体化のための協議を速やかに始めることを強く呼びかけたいと思います。

 4月21日に行われる衆院沖縄3区補欠選挙は、沖縄の前途はもとより、参院選の行方をうらなう重大な政治戦となります。すでに、フリージャーナリストの屋良朝博氏が「辺野古に基地はつくらせない」ことを公約に出馬表明をしています。日本共産党は、辺野古新基地建設反対の「オール沖縄」の団結を強め、沖縄3区補選での勝利を必ずかちとるために、全力をあげて奮闘する決意を表明するものです。(拍手)

 明確な対決軸をひるむことなく掲げ、心一つに「本気の共闘」にとりくむならば、安倍政権がどんな強権で襲いかかってきても、それをはねかえし勝利することができる。そのことは昨年の沖縄県知事選挙が私たちに教えてくれました。

 今年、全国が、沖縄のようにたたかい、日本を変えるたたかいに挑戦することを、心から呼びかけるものであります。(拍手)

2019年、何を掲げてたたかうか――四つの課題を一貫して追求しよう 

 今年、2019年を、何を掲げてたたかうか。

 日本共産党は、次の四つの課題を一貫して掲げ、最も幅広い共闘を追求するとともに、日本共産党の躍進を訴えてたたかいます。

消費税10%の矛盾が噴き出し“ボロボロ”に――ストップの一点で大同団結を

 第一は、今年10月からの消費税10%への大増税を中止し、暮らし第一で経済をたてなおす改革を求めるたたかいです。

 消費税10%への批判がさまざまな形で噴き出しています。

 一つは、「こんな経済情勢で増税を強行していいのか」という批判です。

 安倍首相の経済ブレーンの一人で、内閣官房参与を務めた藤井聡京都大学教授が、昨年11月18日号の「しんぶん赤旗」日曜版に登場し、「10%への税率の引き上げは日本経済を破壊する」「栄養失調で苦しむ子どもにさらに絶食を強いるようなもの」と強く反対したことは、大きな話題となりました。藤井氏は、昨年末、内閣官房参与を辞任しましたが、そのさいフェイスブックで次のようにのべています。

 「『デフレ下の消費増税』が極めて深刻なリスクをもたらすことが懸念されています。この危機を乗り越えるべく、一学者、一言論人として必要だと信ずる政策論を、力の限り、全力を賭して発言し続けて参る所存です」

 “徹底的にやる”という宣言だと思います。

 セブン&アイ・ホールディングス名誉顧問の鈴木敏文氏は、『文芸春秋』1月号によせた一文で、増税は必要としつつも、「いまのタイミングで消費税を上げたら、間違いなく消費は冷え込んでしまうでしょう」「国内景気がさらに悪化して、消費の減少、企業倒産の増加、失業率の上昇といった負の連鎖に直面する可能性もある」と強く警告しました。

 2014年の消費税8%への増税を契機に、家計消費は年間25万円も落ち込み、深刻な消費不況が続いています。昨年7~9月期のGDPは年率換算でマイナス2・5%と、前回の消費税増税直後の2014年4~6月期以来の大幅な落ち込みとなりました。こうした経済情勢のもとで、消費税に賛成という立場の人々も含めて、いま増税することへの強い懸念が広がり、増税中止を求める声が広がっていることは重要であります。

 いま一つは、安倍政権の消費税増税に対する「景気対策」なるものが、前代未聞の異常で奇々怪々のものになったことに対する批判であります。最大の売りである「ポイント還元」は、混乱と不公平を招くことが必至であり、怨嗟(えんさ)の的となっています。「複数税率」とセットとなることによって、買う商品――食料品か非食料品か、買う店――大手スーパーか中小小売店かコンビニか、買い方――現金かカードか、この三つの要素で、税率が3%、5%、6%、8%、10%と5段階となります。天下の愚策に対して批判が広がっています。日本スーパーマーケット協会、日本チェーンストア協会、日本チェーンドラッグストア協会の3団体は、「日々の買い物において必要のない混乱が生じる」「過当な競争を招き込む」などの懸念をあげ、見直しを求める要望書を政府に提出しました。

 消費税10%は、あらゆる面で矛盾が噴き出し、すでに“ボロボロ”の状態であります。今年10月からの10%への増税を中止せよ――この一点での世論と運動を広げに広げようではありませんか。「増税するならまず大企業と富裕層から」――日本共産党が提唱している「消費税に頼らない別の道」を大いに語ろうではありませんか。そして、統一地方選挙と参議院選挙で、日本共産党の躍進で、安倍政権に退場の審判を下し、安倍政権もろとも増税のたくらみを葬り去ろうではありませんか。(拍手)

「戦争する国づくり」を許さない――大軍拡、9条改憲に反対するたたかいを

 第二は、「戦争する国づくり」を許さないたたかいです。

 安倍政権は、昨年末、新「防衛計画の大綱」、「中期防衛力整備計画」を決定し、5年間で27兆4700億円の軍事費を投入する空前の大軍拡計画に突き進もうとしています。その矛盾が二つの側面から噴き出しています。

 一つは、安保法制=戦争法のもとで憲法を蹂躙(じゅうりん)した大軍拡計画になっていることです。「いずも」型護衛艦をステルス戦闘機・F35Bを搭載できるように改造する、事実上の空母化が進められようとしています。敵基地攻撃能力の保有をめざして、相手の射程圏外から攻撃できる長距離巡航ミサイルが導入されようとしています。これらは、「攻撃型兵器を保有することは、自衛のための最小限度の範囲を超えることになるから、いかなる場合でも許されない」としてきた憲法上の立場を覆し、「専守防衛」を建前としてきた自衛隊から、「海外で戦争する軍隊」へと変貌させるものであり、絶対に許すわけにはいきません。

 いま一つは、トランプ大統領言いなりの「浪費的爆買い」を進めようとしていることです。F35を147機体制にする――2兆円を超える兵器購入計画は、その最たるものであります。航空自衛隊の元幹部は「100機以上も買って、いったい何をするのか、目的が全く見えない」と憤りました。元陸将の山下裕貴氏は「トランプの言いなりで兵器を買うな」「貿易摩擦が起きるたびにアメリカから兵器を購入していたら、安全保障上の自主性が失われてしまう可能性もある」と批判しました。元陸将の用田(もちだ)和仁氏は「米国のご機嫌を取るため、高額の装備品を購入することが日米同盟だと思っているならば、いつか見下され、国内産業は衰退し、米国の国益の考え方の変化によっては日米同盟は終わるだろう」と警告しました。「トランプ大統領に言われたから買う」、目的は不明、「浪費的爆買い」としかいいようのない計画に対して、日米同盟推進の立場の元自衛隊幹部からも批判と警告が寄せられているのであります。

 「専守防衛」をかなぐり捨て、「浪費的爆買い」に走る――いま進められている大軍拡計画には、一かけらの道理もありません。「大軍拡を中止し、国民の大切な税金は、福祉と暮らしに優先して使え」――これを合言葉に、国民的大運動を起こそうではありませんか。(拍手)

 安倍首相による憲法9条改定の野望を許さないたたかいは、引き続く国政の最大の対決点であります。首相は、昨年の国会での改憲発議という野望は断念に追い込まれましたが、「任期中改憲」「2020年新憲法施行」にあくまでしがみついています。2月の自民党大会に向けた2019年運動方針原案は、改憲に「道筋を付ける覚悟」と強調しています。

 市民と野党の共闘を強め、草の根から安倍改憲に反対する3000万人署名を集め切り、参議院選挙で安倍・自公政権を大敗に追い込み、今年を、安倍政権による9条改憲策動に終止符を打つ年にするために頑張り抜こうではありませんか。(拍手)

 昨年は、史上初の米朝首脳会談、3回にわたる南北首脳会談によって、朝鮮半島の非核化と平和のプロセスが開始された年となりました。朝鮮半島における戦争の脅威が遠のき、平和への大転換が起こりました。私は、昨年12月に韓国・ソウルで行われた日韓・韓日議員連盟合同総会に参加し、多くの韓国の国会議員のみなさんと懇談する機会がありました。そこでも、この戦争の危険が遠のき、平和への大転換が起こったことへの喜びが、共通して語られました。「この時計の針を逆に巻き戻すことは、韓国国民の誰ものぞんでいない」という発言も印象的でした。この間の米朝交渉には停滞もみられますが、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長が、1月1日、新年の辞で、「完全な非核化」に進むことは「確固たる意志」であり、「いつでも米国大統領と対座する準備ができている」と表明し、トランプ米大統領が、2日、「私も金委員長との会談を楽しみにしている」と応じたことは、年頭からの良いニュースであります。米朝、南北が、困難をのりこえ、歴史的合意を具体化・履行することを強く願ってやみません。

 そして、こうした平和の流れにてらしても、安倍政権による大軍拡と憲法9条改定は、それを妨害する、歴史的逆行というほかないではありませんか。今日本に求められているのは憲法9条を変えることでなく、日本共産党が野党外交で現に実践しているように、9条を生かした平和外交であるということを、私は強く訴えたいと思います。(拍手)

辺野古への土砂投入で広がる怒り――沖縄への連帯のたたかいを発展させよう

 第三は、沖縄への連帯のたたかいを、さらに発展させることであります。

 安倍政権は、昨年12月14日、辺野古の海を埋め立てる土砂投入開始を強行しました。法治主義も、民主主義も、地方自治も踏みつけにしたこの無法な暴挙を転機に、沖縄県民の怒りが、あふれるように全国に広がり、世界に広がっています。

 昨年末の各社の世論調査で、土砂投入に対して「反対」が、「朝日」、「毎日」、「共同」、「読売」とそろって約5割~6割に達し、多数の声となりました。

 ハワイ在住のロブ・カジワラさんの呼びかけで、新基地建設の埋め立て工事を2月24日の県民投票まで停止するようトランプ大統領に求める電子署名が始まり、またたく間に10万筆を超え、昨年末には17万筆を突破しました。

 「寄り添うと言いつつ県民踏みにじる理不尽強いる国家とはなに」

 昨年末、沖縄の地元紙に掲載された短歌であります。沖縄への強権は、日本という国の民主主義のあり方を問うています。

 米軍基地問題は、全国の自治体で切実な問題となっています。6年前に沖縄に配備されたMV22オスプレイは、日本全国で訓練を展開し、国民の安全と暮らしを脅かしています。それに続き、昨年10月から、CV22オスプレイが東京都・横田基地に配備され、超低空飛行を含む危険な訓練を各地で実施しています。

 今年、2019年、「辺野古に新基地をつくらせない」という沖縄県民の決意にこたえて、全国で連帯のたたかいを大きく発展させることを、年頭にあたって心から呼びかけたいと思います(拍手)。とりわけ、2月24日に実施される県民投票を大成功させ、圧倒的反対の民意を突きつけ、新基地建設を断念に追い込むために、沖縄と全国が連帯をさらに強めようではありませんか。(拍手)

「原発ゼロの日本」を――原発はもはやビジネスとしても成り立たない

 第四は、「原発ゼロの日本」をめざすたたかいの発展であります。

 原発にしがみつく勢力は、いよいよ孤立し、深刻な破たんに直面しています。その象徴が、安倍首相が「成長戦略」の目玉に位置づけ、トップセールスを展開してきた「原発輸出」が、ことごとく失敗したことです。

 昨年末、官民による「原発輸出」で最も実現性が高いとされてきた英国での計画が行き詰まりました。計画を手掛ける日立製作所の中西宏明会長(経団連会長)が、「もう限界だ」とのべ、暗礁に乗り上げていることを認めました。

 これで、「原発輸出」は、米国、ベトナム、台湾、リトアニア、インド、トルコ、英国と、すべて頓挫し、総崩れとなりました。

 東京電力福島第1原発事故などで原発の「安全神話」が崩壊するとともに、「安全対策」のためのコストが急騰したことが、総崩れの原因であります。原発はもはやビジネスとしても成り立たない――この現実を安倍政権は認めるべきであります。

 「原発輸出」の破たんに直面して、経団連の中西会長は年頭の記者会見で、今後の原発政策について、次のようにのべました。「全員が反対するものをエネルギー業者やベンダー(提供企業)が無理やりつくるということは、この民主国家ではない」。原発を存続させるためには国民的議論が必要との認識を示したのであります。原発にしがみつく勢力は、いよいよ追い詰められました。

 みなさん。今年、2019年を「原発再稼働反対」、「原発ゼロの日本」、「再生可能エネルギーへの転換」をめざす国民的運動をさらに大きく発展させるとともに、原発になおしがみつく安倍自公政権に、統一地方選挙、参議院選挙で、きびしい審判を下そうではありませんか。(拍手)

統一地方選挙、参議院選挙をいかにたたかうか

「二つの構えを一体的に貫く」ことを肝に銘じて奮闘しよう

 統一地方選挙と参議院選挙で、市民と野党の共闘を成功させ、日本共産党の躍進をかちとることは、今年、私たちが直面する最大の課題であります。

 12年ぶりの連続選挙にどういう構えでのぞむか。

 5中総決定で確認した「二つの構えを一体的に貫く」ことを、肝に銘じて奮闘したいと思います。

 第一は、目前に迫った統一地方選挙という関門をまず突破する――ここで日本共産党の前進・躍進をかちとることを前面にすえて、勝利にむけてやるべきことをやりぬくことであります。

 そのさい、次の二つの面を握って選挙戦に挑むようにしたいと思います。

 一つは、現有議席の確保自体が容易ならざる課題だということです。4年前の統一地方選挙は、2014年12月の総選挙でわが党が606万票、21議席に大躍進した直後のたたかいでした。躍進の流れのなかで、わが党は道府県議選で31議席を増やし、111議席を獲得し、党史上初めて空白県議会を克服するという快挙をなしとげました。今回のたたかいは、2017年10月の総選挙で獲得した440万票をベースにして、850万票の目標にむけてどれだけ伸ばせるかのたたかいとなります。現有議席を絶対確保すること、新たな空白議会をつくらないこと――この二つを最優先にすえるとともに、新たな議席増に攻勢的かつ手堅く挑戦する、こういう構えでたたかいにのぞみたいと思います。

 いま一つは、前進・躍進のチャンスはあるということです。私は、この間、全国各地に伺い、安倍政治に対するもっとも痛烈な対決者として、また、市民と野党の共闘の推進者として、共産党への期待の広がりを感じます。地方政治では、自治体の多くが依然として共産党をのぞく「オール与党」というもとで、安倍政権による“地方壊し”を許さず、「住民の福祉を守る」という自治体本来の役割を果たすうえで、日本共産党地方議員団の果たしている役割は抜群のものがあるということも実感しています。とくに前回空白を克服した7県では、住民の声が届く県議会へと空気が一変したことがどこでも共通しています。

 わが党の前進・躍進の可能性を示すものとして、2017年10月の総選挙以後に行われた中間地方選挙の結果を報告したいと思います。日本共産党は、277の選挙区に519人が立候補し、482人が当選しました。前回比でプラス5議席、改選比でプラス35議席、議席占有率を8・26%から8・59%に0・33ポイント前進させました。得票は、衆院選比例代表比で113%となりました。他党との比較では、日本共産党の482人という当選者数は、自民党318人、公明党428人、社民党51人、立憲民主党28人と比較して、第1党となりました。全党の頑張りでかちとったこの結果を、みんなの確信にして、直面する選挙にのぞみたいと思います。

 みなさん。きびしさとチャンスとの両面をしっかりつかみ、やるべきことをやりぬいて、必ず前進・躍進をかちとろうではありませんか。(拍手)

 第二に、「参議院選挙は統一地方選挙が終わってから」という段階論に絶対に陥ることなく、「比例を軸」にすえた参院選での躍進を一貫して追求することです。

 「比例を軸」にすえるとは、日本共産党そのものへの支持を広げることを、選挙戦の軸にすえるということです。統一地方選挙にむけた政治論戦でも、国政論での党の値打ちを大きく語ること、党の綱領、歴史、理念を丸ごと理解してもらい積極的支持者を増やす活動にとりくむことと一体に、地方政治での党の値打ちを語ることが重要であります。

 統一地方選挙をたたかう党組織では、得票目標を「850万票、15%以上」に見合う目標に一本化し、本気で実現をめざして奮闘しましょう。統一地方選挙がない党組織では、必勝選挙区への支援と参院選躍進という二つの仕事にとりくみましょう。

 「比例を軸」にすえた参議院選挙での躍進を、統一地方選挙のとりくみと同時並行で、一貫して追求してこそ、連続選挙での勝利の道が開かれる。このことを肝に銘じて奮闘しようではありませんか。

3月1日までに「統一地方選挙必勝作戦」をやりぬこう

 統一地方選挙をめぐる党派間の激烈なたたかいは、すでに始まっています。自民党をはじめとする各党は、統一地方選挙を参議院選挙の前哨戦と位置づけ、候補者を大量に擁立するなど、激しい動きを強めています。期日前投票が定着するなかで、一昨年の衆院選では期日前投票が3分の1を超えました。対話・支持拡大などの選挙活動が本番になってから本格化するというわが党の選挙活動の現状を抜本的に変えることが、勝利にとってどうしても必要不可欠です。それらを考えると、統一地方選必勝のためには、この1月、2月にどれだけ頑張れるかが大きなカギとなります。

 そこで、常任幹部会として、「統一地方選挙必勝作戦」として、前半戦の告示日(3月29日)のおよそ1カ月前――3月1日までに、全党がつぎの二つの課題をやりきることを訴えます。

 第一は、選挙戦の勝利に必要な草の根での宣伝・組織活動をやりきることです。すべての支部が得票目標を決め、その実現をめざし、要求にこたえた活動、声の宣伝やポスターなど大量宣伝、「集い」に大いにとりくみながら、支持拡大目標をやりきろうではありませんか。すべての支部で後援会員を拡大し、単位後援会を確立し、ともにたたかう体制をつくりましょう。3月1日を「投票日」にみたてて、勝利に必要な活動をやりきり、さらに選挙本番にむかって、より広い有権者に支持を訴える活動を広げに広げる宣伝・組織活動をやりぬこうではありませんか。

 第二は、党勢拡大では、参議院選挙を「前回比3割増」の党勢を築いてたたかうことを展望し、その中間目標として、すべての都道府県、地区委員会、支部が、3月1日までに、党員、「しんぶん赤旗」日刊紙読者、日曜版読者で、前回参院選時を回復・突破しましょう。支部あたりで平均すれば、1支部あたり、1人の党員、1人の日刊紙読者、5人の日曜版読者を増やせば、この目標は達成できます。統一地方選挙をたたかう党組織は、前回統一地方選時を回復・突破することを目標に奮闘し、全党をリードする役割を果たそうではありませんか。

 以上が、「統一地方選挙必勝作戦」の呼びかけですが、いかがでしょうか(拍手)。これをやりきるのは大仕事ですが、みんなで力を合わせれば、やりきる道は必ず開かれます。そして、これをやりきることなくして、勝利の保障がないことは明瞭であります。ならば、“先手必勝”でこの作戦を成功させようではありませんか。(拍手)

党員拡大を根幹にすえ、党に新たな活力を迎え入れながら選挙をともにたたかおう

 そのさい、党勢拡大にあたっては、党員拡大をあらためて根幹にすえ、党に新たな活力を迎え入れながら選挙をともにたたかうことを、最後まで一貫して追求することを訴えたいと思います。

 一つの支部の経験を最後に紹介して終わりたいと思います。

 広島・東部地区府中市の中山間地、上下(じょうげ)町で2年前に生まれた上下支部は、昨年の「特別月間」から12月末までに30人の党員を増やし、現勢39人の支部へと躍進しました。この取り組みをけん引した岡田隆行・府中市議は次のように語っています。

 「仲間が1人増えることはつながりが何倍に増えることです。私の住む小さな町、そして国政を変える原動力です。上下支部も、新入党員から新たなつながりが次々と出され、沖縄の知人に選挙で支持を訴える党員も生まれました。党の仲間のかけがえのなさを、新入党員に実感してほしいと、全員の誕生日を壁に貼り出してお祝いするなど、一人ひとりを大事にする活動をしています。新入党員は『党に入ってよかった』と自信をもって語り、さらなる党勢拡大につながっています。入党者は読者がほとんどです。読者はみな政治に怒っています。党の話をしないのは不誠実です。誠実に声をかければ誠実にこたえてくれるし、信頼も深まります。短期間でも3割増や倍加は可能です」

 上下支部では、これまでは日刊紙の配達体制つくれず郵送での購読しかできなかったそうです。そのためにわずかな党員しか日刊紙の購読ができませんでした。この状況が大きく変わったとのことです。この間の党員拡大を力に、昨日、1月3日付から待望の日刊紙配達が始まったとのうれしい報告もあったことも、お伝えしておきたいと思います。(拍手)

 みなさん、1、2月のとりくみが勝利にむけた最初の大きな関門になります。全国が心一つに「統一地方選挙必勝作戦」をやりぬき、年初めから連続躍進にむけた力強い流れをつくりだすことを重ねて訴えて、新春のあいさつとします。ともに頑張りましょう。(拍手)


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