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2019年1月5日(土)

安倍首相年頭会見

改憲へウソとごまかし

 安倍晋三首相は4日の記者会見で、憲法改定について記者から問われ、「憲法は国の未来、そして国の理想を語るものでもある」と述べ、改憲議論は「選挙で負託を受けた国会議員の責務」とけしかけました。しかし、国会議員の責任は憲法99条が定めるように憲法を守ることです。憲法は国民の権利を守るために、権力(=安倍首相)を縛るもの。安倍首相は年頭からウソとごまかしで改憲を呼びかけました。

 安倍首相は昨年の通常国会と臨時国会で憲法審査会を動かして改憲の発議を行おうと執念を燃やしましたが、国民の批判や野党の反対が強まり、憲法審での自民党改憲案の提示を断念せざるをえませんでした。安倍首相はもともと2018年中に改憲発議を行い、19年には国民投票を実施する意向でした。19年は春の統一地方選や参院選などが続くためです。安倍首相が追いこまれながらも、あくまで改憲実行の意思を捨てず、年頭の記者会見で改憲への強い執念を示しました。

 また、安倍首相は、外交の成果を強調。「いまこそ戦後日本外交の総決算を行っていく。本年はその目標に向かって大きく前進する一年にしたい」と意気込みました。

 しかし、安倍首相の外交の成果とは、沖縄県名護市辺野古での米軍新基地建設で沖縄の民意より米国への忠誠を上に置き、トランプ米大統領の言いなりに武器を「爆買い」するというアメリカ言いなり外交です。戦争被爆国でありながら核兵器禁止条約に背を向け、原発輸出ではことごとく破綻。さかんにアピールする日ロ領土交渉でも自民党の長年の主張である「北方四島」返還から、歯舞、色丹2島返還で平和条約締結という売国的妥協に傾いています。対話の流れが強まる朝鮮半島情勢をめぐっては、植民地支配への反省を明確にできず、日韓の協力に障害をつくりだしています。安倍外交のどれをとっても「百害あって一利なし」です。

 今年は統一地方選挙と参院選挙が行われます。安倍首相が表明した憲法改悪と「戦後日本外交の総決算」に国民の審判を下すべき年です。

 (若林明)


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