2019年1月4日(金)
新人候補 全速前進
統一地方選 共産党躍進へ
4月の統一地方選挙で初議席獲得や議席奪還をめざし、元気いっぱい奮闘する日本共産党の新人予定候補を紹介します。
みんなと勝ち抜く
横浜市議選 都筑区(定数5)
井下けんじ予定候補(40)
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キリッと冷えた駅頭に、「中学校給食の実現を。カジノ誘致を止めましょう」と熱く訴える声が響きます。マイクを握るのは、横浜市都筑区の、井下けんじ市議予定候補(40)。統一地方選挙で16年ぶりに同区から立候補し、初の党議席獲得に挑みます。
「切り開く」
横浜市鶴見区の民医連に加盟している事業所、かながわセントラルキッチンで調理師として働いて10年、労働組合の書記長、党支部長として奮闘してきた井下さんが立候補の要請を受けたのは、昨年の5月でした。
「職場の仲間の顔が浮かんで、悩みに悩みました」。分区で1994年に発足した都筑区は、年齢層が市内で最も若く、新興住宅地が多くを占めます。市民と野党の共闘が広がり、最近の選挙では共産党は支持拡大の3倍の票を得ますが、党の力が追いつかず長く候補を擁立できませんでした。その悔しさと、定数5の同区で勝利し、横浜市での議席増と参院選勝利を実現することが、安倍政権の暴走を止める道だという釘丸進・横浜北東地区委員長(45)の話に、心を決めました。
「今までも向かい風で、人生を切り開いてきた。16年間都筑区の候補がいなかったのなら、僕が切り開く」。決意を職場の仲間一人ひとりに伝えると、皆が応援して送り出してくれました。
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仲間による「いのけんサポーターズ」代表の原田信幸さん(42)は、労組や党支部で“二人三脚”で活動してきました。「彼は行動力があり、道理が通らないことは相手が誰でもズバッと言う、信念の人。心から信頼しています」
井下さんの両親と兄姉も、「けんじが決めたのなら」と激励しています。
貧困のなか
井下さんは熊本県天草市生まれ。憲兵将校だった祖父は、戦後日本共産党に入党。重い障害を持つ母からは命と平和の尊さを、父からは厳しい社会を生き抜く知恵を学びました。
19歳で飲食業に就いた福岡市博多区の夜の繁華街には、「子どものために泣きながら働く女性たち、虚無感と貧困の悲惨が横たわっていた」と言います。
その後、愛知のトヨタ自動車の期間従業員を経て正社員に。秒単位で車を組み立て、遅れるとブザーが鳴り響きました。ふと、「両親はなぜ共産党を応援しているんだろう」と疑問を持ち、『資本論』など科学的社会主義の古典や党の幹部の著作を独学で読み進め、搾取の仕組みや階級闘争を学びました。「自分だけが成功するのでなく、みんなで社会を変える。すげえな」。30歳で党の事務所を訪ね入党を申し込みました。民医連の職場に就職し、仲間と歩んできました。
12月20日、都筑区党組織の事務所開きは、会場満杯の人で喜びにわきました。都筑区選挙闘争本部本部長の北嶋博行さん(67)が、「井下予定候補を迎えて本当にうれしい。今度こそみんなで勝利を」と訴えました。同副本部長の前田辰男さん(71)は、「彼は生一本で真面目。若いけど人生経験があり、人の気持ちがわかる」と語り、支部は元気いっぱいです。井下さんは「みんなで一歩を大事に、必ず勝ち抜きます」と力をこめます。(文 寺田可奈)(写真 青柳克郎)
不公正は許せない
愛媛県議選今治市・越智郡区(定数6)
秋本けいこ予定候補(56)
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「県民の声・願いを県政に届ける役割を果たしたい」―。この決意を胸に、加計学園獣医学部のある愛媛県今治市から、日本共産党の予定候補として秋本けいこさん(56)が県議選に挑みます。
国際便の客室乗務員として世界の動きを見てきました。入党して1年半、政治を変えたい熱意は誰にも負けません。
複数議席へ
立候補を表明した昨年6月から、街頭宣伝は600回超。地元・日高支部の会議に毎回参加し、支部員がつながる団体や趣味のサークルを訪ねるなど、明るくエネルギッシュに多くの人と対話、政策を語り支持を広げています。
支部員たちは「しっかりした考えの人が入ってくれてうれしい」「37年ぶりの議席。必ず秋本さんを押し上げたい」と燃えています。
今治市・越智郡区は定数6に7人が立候補を予定。現県政は、オール与党で「憲法改正の早期実現を求める意見書」を可決し、伊方原発再稼働容認など、県民に背を向けてきました。
「加計学園には県と市から93億円もの補助金が出たのに、県民の命や生活に関わる危険や不公平はずっと放置しています。選挙に勝利して共産党の複数議席を実現したい」と秋本さん。
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強い行動力
キャセイパシフィック航空(香港)を2017年に定年退職し、母親の暮らす今治へ。その春、今治城を見学した後、今治市9条の会の安保法制(戦争法)反対の宣伝に出合い、持ち前の行動力に火が付きます。「あまりにも憲法をないがしろにする政治に、声を上げたい」と宣伝に参加していきました。
一緒に宣伝に参加して活躍ぶりを見ていた党員に入党を働きかけられました。
戦争を経験した両親の影響で核兵器や原発が大嫌いな秋本さんは、日本共産党の核兵器廃絶、原発ゼロの政策に共感。「一緒に社会を変えましょう」の言葉に入党を快諾しました。
「一生懸けてたたかいたいことが一致しました」。すぐさま走り始めます。猛暑が続いた昨夏、市民とともにエアコン設置を求める署名を1万4千人以上から集め、市に18、19年度の一般会計補正予算案に設置費用を盛り込ませました。
昨年11月から「安倍9条改憲NO!3000万人署名」宣伝も開始。毎週続けてこの4日に62回になります。
友人で「加計問題を考える会」の越智芳子さん(65)は、「強い行動力と精神力、努力を惜しまない。言ったことは必ず実現する人、県や市を任せられる人です」と太鼓判。フランス人の夫や家族、元同僚たちも「絶対応援しに行く!」と声援を送っています。
ずっと自民党に票を入れていたという前田隆代さん(80)は、経営する喫茶店の壁に秋本さんのポスターを張り出しました。「時々『共産党なの?』と言われます。秋本さん個人の考え方にほれているんです、と答えています。加計や原発よりも商店街をもっと活性化させてほしい」
秋本さんが力を込めます。「元気で病気知らず、不公平に黙っていられないのが取り柄。必ず勝利し、ひとに優しい県政をめざします」(文・写真 小山田汐帆)
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