2018年12月23日(日)
天皇が最後の記者会見
「沖縄の苦難に心寄せる」
天皇は20日、85歳の誕生日を前に皇居内で、在任中最後となる記者会見をしました。この中で天皇は沖縄戦を含めた長い沖縄の苦難の歴史にふれ、「沖縄の人々が耐え続けた犠牲に心を寄せていく」などとのべました。
会見で天皇は、「即位以来、日本国憲法の下で象徴と位置付けられた天皇の望ましい在り方を求めながらその務めを行い、今日までを過ごしてきました」と表明。「平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに、心から安堵(あんど)しています」とのべました。
沖縄について天皇は、「先の大戦を含め、実に長い苦難の歴史をたどってきました」と言及。皇后と11回沖縄訪問したことをあげ、「沖縄の人々が耐え続けた犠牲に心を寄せていくとの私どもの思いは、これからも変わることはありません」と声を震わせながら語りました。
第2次世界大戦についても、「多くの人命が失われ、我が国の戦後の平和と繁栄が多くの犠牲と国民のたゆみない努力によって築かれたものであることを忘れず、戦後生まれの人々にも正しく伝えていくことが大切」とのべました。
また、雲仙・普賢岳の噴火(1991年)はじめ数々の災害に触れ、「数知れぬ人々が被害を受けたことに言葉に尽くせぬ悲しみを覚えます」と語りました。
会見では退任が近いことにふれ、皇后への感謝、皇太子や秋篠宮への期待ものべました。