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2018年12月15日(土)

控訴審も山本さん勝利

東京高裁 ノーモア・ヒバクシャ訴訟

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(写真)勝訴判決を受けた山本さん(右から2人目)ら=14日、東京高裁前

 原爆症認定をめぐり、厚労省がおこなった却下処分は違法として処分の取り消しを求めたノーモア・ヒバクシャ訴訟(東京2次)の控訴審判決が14日、東京高裁(垣内正裁判長)であり、高裁は「却下処分を取り消した原判決を維持する」として、原告・山本英典さん(85)の勝訴判決を出しました。

 判決は、長崎で被爆した山本さんが、爆心地から約4・2キロメートルの自宅で直接被爆し、雨を含む降下物を浴び、100時間以内に爆心地から3キロメートル以内の地点に赴き、壊れた水道の水を相当量飲んだこと、その後の胃がん、大腸がんへの罹患(りかん)をはじめとする病歴、また、胃がんおよび大腸がんについて原爆症認定されたことを併せて考えれば、山本さんは健康に影響がある程度の放射線被ばくを受けていたと考えられると判断しました。

 争点となった山本さんの狭心症については、「専(もっぱ)ら原子爆弾放射線以外の原因によって発症したことを疑わせる事情は認められない」として、国側の主張を退けました。判決後、裁判所からでてきた山本さんは、「東京訴訟はパーフェクトの勝利です」などの喜びの声に包まれました。

 山本さんは、「全国ではまだ訴訟が続いています。その人たち全員を勝訴させたい」と、ひきつづく支援を訴えました。

 柴田佳宜弁護士は、「判決は、いままでの裁判所の流れをくみとったものです」と解説しました。

 東京2次訴訟の原告は11人。裁判の途中で厚労省は、5人について却下を取り消しました。認められなかった6人が裁判を継続し、一審判決で6人全員が勝訴。国は、山本さんについてだけ控訴していました。


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