2018年12月14日(金)
南京大虐殺81年
歴史を鑑み 平和友好へ
記念式典に生存者ら1万人
【北京=釘丸晶】中国を侵略した旧日本軍が1937年に起こした南京大虐殺から81年となった13日、江蘇省南京市の南京大虐殺遭難同胞記念館の広場で記念式典が行われました。式典には夏淑琴(か・しゅくきん)さん(89)ら生存者10人を含む1万人近くが出席。外国からの参列者もありました。
式典で演説した全国人民代表大会(全人代)常務委員会の王晨(おう・しん)副委員長は、当時家族7人を日本軍に虐殺された夏さん一家の悲劇を米国人の故ジョン・マギー牧師が撮影・記録していた事例を紹介。日本で南京大虐殺を否定する言動があることに懸念を示し、「歴史の動かぬ証拠に、世界が驚愕(きょうがく)した。人類文明の永遠にぬぐい去ることのできない暗黒の記憶だ」と訴えました。
一方、王氏は「今年は中日平和友好条約締結40周年だ」として、「40年来、多くの人々の努力で南京大虐殺の歴史の真相が広く知られ、平和友好の正しい理念がはっきりと示された」と強調。「両国民の根本的利益から出発し、歴史をかがみとし、未来に向かい、平和、友好、協力の大方向をつかみ、共に世界平和と人類進歩の事業に貢献しよう」と呼びかけました。
式典では南京市の青少年代表が「平和宣言」を読み上げました。最後に平和を願う鐘が鳴らされ、ハトが空に放たれました。